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VIII. Siドック
1. 艤装関連組織
 船装、機装、電装、塗装、サービスの5作業区にわけて施工、管理されている。
昨年度組織参照の上、記述
 
2. 職種別技能者数
表8.1 職種別技能者数(S造船)
職種 人員 協力会社数 発注形式 管理物量 現在の課題
本工 協力工 技量低下 人員確保 管理能力
塗装 0 14 14 2 取付据付 m2    
船具 4 0 4 0          
鉄艤装 2 6 8 2 取付据付 Kg、個数 高齢化
後継者育成
若年層の定着率
甲板仕上げ 0 2 2 1 取付据付 Kg、個数      
木艤装・保温・防熱 0 8 8 3 材工一括 m2      
配管 0 12 12 1 取付据付 本数、口径  
製缶 0 0 0 0 取付据付 Kg、個数      
機械加工 0 0 0 0 取付据付 口径      
機関仕上げ 4 2 6 1 取付据付  
空調 0 2 2 1 材工一括 Kg、m      
電装 1 9 10 2 取付据付 m      
合計 11 55 66 13  
 
3. 職種別作業内容
(1)一括外注
・材工込みの一括外注対象は、木艤装と空調のみ。鉄艤品製作と管加工は全面的に加工外注。
・木艤は基本図を提供し、加工外注対象品は生産設計図を提供している。
(2)構内取付け/据付
 構内の取付作業で協力会社施工の作業は、全面的に物量を提示して請負わせている。
 
4. 外注政策と発注形式
・鉄艤装品と管加工は全面的に加工外注。前者は材料支給し、後者は材工一括外注。すなわち、完成品購入形態をとる。
・構内取付業者は、リスク分散の観点から、同一職種2社体制が原則。ただし、諸般の事情で1社のみに留まっている職種がある。
 
5. 雇用環境
 人員確保に難を感じている職種は、当面機関仕上げのみであるが、全職種とも高齢化対応に大きな不安がある。
 
6. 技能レベルと必要資格
・技能伝承を云々する前に、図面化、システム化が先決の職種がある。
・玉掛作業など安全上、不可欠の作業では、資格は必須。これらについては、講習会の機会も多く、新卒者の資格取得に利用している。
 
7. 教育訓練
・鉄艤装、製缶、機関仕上げについては、不定期で教育訓練を行っている。
・これらの作業を含め、多くは「先輩によるマンツーマン教育」が主。
 
8. 工事遂行上の課題
・鉄艤装職で高齢化とそれに伴う後継者育成、若年層の定着率が課題となっている。
・その他の職種でも同様課題があるが、平均的には技量低下が顕在化してきている。
 
9. 外国人労働者
・本社、協力会社とも採用していない。
 
10. 協力会社の状況
 鉄艤、電装、塗装の協力会社3社から、実情を聴取した。
(1)高能率、高賃金による生産性向上について
 構内作業では、複数職種が同じ区画で混在作業を行うため、自社のみの都合で作業を進めたり、新しい作業方式をとるのが困難で、現在の生産性を大幅に向上させるのは難しい、との意見が主であった。
(2)技能を要求される面
・鉄艤では、ハッチカバーの取付、各種甲板機器の位置だしのための関連図面の読解力がいる。
・電装では、配線図から配線順を先読みすること。
・塗装では、タンク内狭隘箇所での塗装、手すり等の裏側の刷け塗り、ダストを落とさずに一定膜厚でスプレイする外板塗装が、比較的、技量と経験を要する作業。
(3)教育、技能伝承
・造船職種向けの職業訓練機会が少ないので、造船職業訓練所の開設は歓迎。
・受講者を派遣する企業はお互いが利便を得るので、講師として出講するなど応分の責任は果たすべきであろう。
 
以上







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