5. ISO/TC108/SC 2全体会議
SC 2の全体会議が、Mr. Olsson議長のもとで行われ、日本からは神吉教授(神戸大学)、松下教授(防衛大学)、修理の3名が出席した。5月6日〜5月10日の期間にミンデンで同時に開催されたWG 1、WG 2、WG 3、WG 7、WG 8、WG16、JWG 1の各WGの報告とSC2の方針について審議が行われた。松下教授はWG 7((磁気軸受ロータ作業委員会)の議長を務めている。
Mr. OlssonからWG2の報告を行った。報告では、前述したように、WG 2の決定を元にSC 2のWI 20283“Vibratory Acceleration Measurements for Shipboard Equipment”を、以下のように5つのパートに変更することを提案して、決定された。
Part 1 General
Part 2 Mechanical vibration - Guide for the measurement, evaluation, and reporting of global structural vibration in merchant ships(SC 2/WG 2 N 222 + ISO 4867 + ISO 4868)
Part 3 Mechanical vibration - Vibratory Acceleration measurements and acceptance criteria of shipboard e equipment(SC 2/WG 2 N 228)
Part 4 Mechanical Vibration - Guidelines for the Measurement and Evaluation of Ship Propulsion Machinery Vibration(SC 2/WG 2 N 223)
Part 5(future revision of ISO 6954:2001)
SC2全体に関する議題としては、TC108/SC 2の取り扱っている問題(機械・乗り物・構造物の振動と衝撃の計測と評価)を各WGで議論するためには、関連する他のTC、IEC、APIなどの情報が必要であり、SC 2としてどのように対応するのかが議論された。当面は、議長と事務局で、他のTCとの調整方法を検討する。他のTCの規格審議状況については、事務局がフィルタリングして資料を提出する。また、3ヶ月でVoteする場合、IECなどのInternationalな規格との調整は可能であるが、他の規格との調整は難しいのではないかなどの意見が出された。各WGにおいて、規格案を審議する場合には、当然、他の関連規格の審議状況は必要であり、今後、この問題に対しては、議論が進められるものと思われる。これに関連して、WG 2で提案した“Global Vibration”の定義に関して質問があり、Mr. Kilcullenが機械の振動含む構造全体の振動であるとの回答をした。振動に関する用語の統一が必要であるとの指摘を受けた。
6. 次回会議の予定
(1)次回SC 2会議は、2003年5月にクロアチアのザグレブまたはドブロブニクで開催する予定となった。WG 2会議もこの期間中に開催される。
(2)審議内容は、下記3つの規格案を修正した資料の審議が行われると考えられる。
Part 2 Mechanical vibration - Guide for the measurement, evaluation, and reporting of global structural vibration in merchant ships(SC 2/WG 2 N 222 + ISO 4867 + ISO 4868)
Part 3 Mechanical vibration - Vibratory Acceleration measurements and acceptance criteria of shipboard equipment (SC 2/WG 2 N 228)
Part 4 Mechanical Vibration - Guidelines for the Measurement and Evaluation of Ship Propulsion Machinery Vibration (SC 2/WG 2 N 223)
7. 今回の国際会議の印象
今回の会議では、船舶の振動計測に関する規格を整備していくための枠組みが決定され、今後の方針が明確になった。また、規格の構成を、計測方法と許容値に分けて、本文中に計測方法、ANNEXに許容値を記述することとなった。これまでの審議では、計測方法と許容値を一緒に取り扱っていたために、ISO 6954改定の審議期間が10年以上にもなったのではないかと思われる。今回の決定で、計測方法と許容値を分けて審議することも可能であり、審議期間は大幅に短縮されるものと思われる。また、計測方法については、他の計測機器に関するISOとの整合性が必要となり、機器メーカなどの専門家の協力を得て進めなければならないと思われる。
今回の課題としては、これまでの会議で話題になっていたが、事前の議案項目に無い「船舶の振動計測に関する規格の整備」について審議が行われて決定された。日本代表として適切に対応することができたかどうかの判断が難しい。また、今回提出予定のN 222改訂版が提出されないために、審議を中止することを提案したが、多数決により審議を行うことになった。前回と同じ資料(N 222)と前回提出した日本コメントを再審議する結果となった。USAで開催されたこともあり、USAからは4名(全体では8名)が参加して、USA提案の審議が強引に進められた印象である。
審議の進め方については、当日に提出された資料(規格案)を参加者で読み合わせて確認していく方法が取られたために、事前に十分な内容や問題点を整理できない状況での対応が必要であった。今回の審議項目の内、推進機関の振動、音響域振動(Structureborne Sound)など専門的な知識が要求される課題については、特に専門家の意見やコメントを得る必要がある。議事の進め方についても、参加者の提案で決定されるなど、会議の場での状況が優先されてしまう。会議に始めての参加する状況では、議事の進行方法をコントロールするのは難しい。
今後の会議では、複数の規格の議論(全体振動、推進機関振動、音響域振動)が並行して進められる予定であり、出席者には非常に厳しい対応が要求される。これに対応するための方法として、以下のように提案する。
(1) |
できるだけ早い段階で審議資料を入手して、各分野の専門家あるいは機関と協力して日本意見を集約する。 |
(2) |
一般的なコメントや意見だけでなく、審議資料(規格案)を書き換える程度の提案を行う。問題提起だけでは、規格案の内容を変えることができない。また、日本がリーダシップを取ることはできない。 |
(3) |
複数(2名以上)の委員が参加し、議事進行の提案や専門的な内容についての議論を進める。(例えば、1名は毎回同じ委員、もう1名は分野別の専門家など) |
以上
ISO/TC108/SC2およびWG2ミンデン会議の会場(ベントリー・ネバダ社) |
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ISO/TC108/SC2/WG2ミンデン会議風景(ベントリー・ネバダ社会議室) |
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ISO/TC108/SC2及びWG2 ミンデン会議資料目録
添付資料番号 |
資料名称 |
備考 |
1. SC 2/N 368 |
Draft meeting schedule for the meetings of ISO/TC108/SC2 |
PDFファイル |
2. SC 2/WG 2/N 227 |
Draft Agenda |
PDFファイル |
3. SC 2/WG 2 |
Attendance List / Meeting of ISO/TC108/SC 2/WG 2 |
PDFファイル |
4. SC 2/WG 2/N 225 |
Minutes of meeting for ISO/TC108/SC 2/WG 2 meeting in Berlin
3-4 April 2001 |
WORDファイル |
5. SC 2/WG 2 |
Log file for ISO/TC108/SC 2/WG2 |
PDFファイル |
6. SC 2/WG 2 |
New Work Item Proposal Form(for N 222) |
PDFファイル |
7. SC 2/WG 2 |
New vibration standard for Ship Vibration(Habitability) |
PDFファイル |
8. SC 2/WG 2/N 224 |
Japanese comments on ISO/TC108/SC 2/WG 2 N 222(前回のベルリン会議で配布した資料) |
PDFファイル |
9. SC 2/WG 2/N 226 |
Not Available(前回のベルリン会議の資料N 222をNWIP用に再作成される予定の資料と推測されるが、Mr.
Teshが欠席のために存在を確認できなかった) |
未収録 |
10. SC 2/WG 2 |
ISO 6954-Second edition 2000-12-15 |
未収録 |
11. SC 2/WG 2/N 222 |
Mechanical vibration and shock - Guide for the measurement,
evaluation, and reporting of global structural vibration in merchant ships(前回のベルリン会議で配布された資料と同じ) |
PDFファイル |
12. SC 2/WG 2/N 223 |
Guidelines for the measurement, evaluation of ship propulsion
machinery vibration(前回のベルリン会議で配布された資料のRevision) |
PDFファイル |
13. SC 2/WG 2/N 228 |
Mechanical vibration - Vibratory acceleration measurements
and acceptance criteria of shipboard equipment(ISO Work Item 20283)(SC2/N352のRevision:first
draft) |
PDFファイル |
14. SC 2/WG 2/N 229 |
Minutes of meeting for ISO/TC108/SC 2/WG 2/ meeting in Minden,
Nevada Tuesday May 7 and Wednesday May 8 2002 |
PDFファイル |
15. SC 2/N 373 |
Draft Agenda |
PDFファイル |
16. SC 2 |
Attendance List/Meeting of ISO/TC108/SC 2 |
PDFファイル |
17. TC108/N 824 |
Business Plan for ISO/TC108 Mechanical vibration and shock(Accepted
by the ISO/TMB on 2001-10-18) |
PDFファイル |
18. SC 2 |
Finalized work of CEN/TC 231 |
PDFファイル |
19. SC 2/WG 3 |
Resolutions for ISO/TC108/SC 2 |
PDFファイル |
20. SC 2/WG 3 |
Minutes of TC108/SC 2/WG 3 - Bentry Nevada - 8 and 9 May 2002 |
PDFファイル |
21. SC 2/WG 7 |
Resolutions for ISO/TC108/SC 2 |
PDFファイル |
22. SC 2/WG 7/N 191 |
Minutes of TC108/SC 2/WG 7 Minden Meeting, 2002-05-08 |
PDFファイル |
23. SC 2/WG 8 |
Brief Report to ISO/TC108/SC 2 |
PDFファイル |
24. SC 2/JWG 1 |
Draft Minutes of Minden NV Meeting |
PDFファイル |
25. SC 2/N xxx |
Draft Resolutions 20th meeting of ISO/TC108/SC 2 on 2002-02-10,
Minden/Nevada, USA |
WORDファイル |
26. - |
ISO 20283 in ISO/TC108/SC 2/WG 2 |
TFXTファイル |
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