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5.4 location_concepts[SHI]
 location_concepts UoFは、3次元デカルト座標系を用いて、船の位置決めに関する情報について詳述する。また、様々な座標系へ再分割するために必要な情報についても詳述する。
 ここではDIS Annex G(ARM)を参照しながら、location_concepts UoFに含まれる16個のアプリケーションオブジェクトについて解説していく。
 
5.4.1 Global_axis_placement(DIS−4.2.41)
 Global_axis_placementはGeneral_characteristics_definition(DIS−4.2.40参照)の1タイプで、幾何学データが参照される右手直行座標系について定義する。Global_axis_placementは、ベースラインから上向きのz軸と、ベースラインとセンターラインの交差線で定義される船体長手方向のx軸を持つ。x軸はケースによって船の後方から前方への向きを持つ場合と、前方から後方の向きを持つ場合と、両方のケースがあり得る。x軸上の全ての点が、Global_axis_placementの原点になり得る。原点と後部垂線の間の距離と、x軸の向きは詳述される。他の座標系がローカルまたはグローバルに使われた場合は、その座標系とGlobal_axis_placementそれの変換関係が詳述される。図5.4−1に船舶のグローバル座標系を図示する。
 
図5.4−1 Global axis placements
 
Global_axis_placementと関連するデータは以下の通りである。
 
−after_perpendicular_offset
−orientation
 
5.4.1.1 after_perpendicular_offset(DIS−4.2.41.1)
 after_perpendicular_offsetは、Global_axis_placementの原点から後部垂線までの距離について詳述する。
 
5.4.1.2 orientation(DIS−4.2.41.2)
 orientationはx軸の方向について詳述する。orientationは以下のうちの1つである。
 
−aft_pointing
−forward_pointing
 
注)  
  orientationのために認められる値の定義については、本報告書の5.4.3.2.1〜5.4.3.2.2(DIS−4.2.41.1〜4.2.41.2.2)を参照のこと。
 
5.4.1.2.1 aft_pointing(DIS−4.2.41.2.1)
 船の前方から後方を向くx軸を持つ、船体右手座標系。
 
5.4.1.2.2 forward_pointing(DIS−4.2.41.2.2)
 船の後方から前方を向くx軸を持つ、船体右手座標系。
 
5.4.2 Local_co_ordinate_system(DIS−4.2.56)
 Local_co_ordinate_systemはDefinition(DIS−4.2.22参照)の1タイプで、ある空間上でオブジェクトの位置決めをするために使われる。Local_co_ordinate_systemは常に別の座標系、Global_axis_placementまたは別のLocal_co_ordinate_system(すなわち同じ階層の中のメンバー)、に対して定義される。それぞれのLocal_co_ordinate_systemは、Local_co_ordinate_system_with_position_reference(DIS−4.2.57参照)であるかもしれない。図5.4-2にローカル座標系を図示する。
 
図5.4−2 local coordinate system
 
注)  
  ローカル座標と原点は、axis2_placement_3dに関しては同様に取り扱われる。
Axis2_placement_3dは、ISO 10303-42において定義されるSTEPのリソースである。
 
注2)  
  Local_co_ordinate_systemは、常に右手系である。
Local_co_ordinate_systemと関連するデータは以下の通りである。
 
−parent
 
5.4.2.1 parent(DIS−4.2.56.1)
 parentは、カレントの座標系によって空間を定義するための、基礎となる座標系について詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.58.4.3.59)を参照のこと。
 
5.4.3 Local_co_ordinate-system_with_position_reference(DIS−4.2.57)
 Local_co_ordinate_system_with_position_referenceは、Local_co_ordinate_system(DIS−4.2.56参照)の特別な型で、親としてユニークなGlobal_axis_placementを直接参照する。縦方向、垂直方向、あるいは横断面の参照によって定義され、おそらく追加のオフセット値(距離)が使われる。代わりとして絶対座標系が詳述されることもある。座標と参照の組合せも、また、有効である。グローバル座標系への変換がそうするように、Local_co_ordinate_system_with_position_referenceは回転を詳述しない。その結果Local_co_ordinate_systemの軸は、Global_axis_placement.の軸と平行であることが要求される。
 Local_co_ordinate_system_with_position_referenceと関連するデータは以下の通りである。
 
−location
−longitudinal_ref
−transversal_ref
−vertical_ref
 
5.4.3.1 location(DIS−4.2.57.1)
 locationは、親座標系において定義され、そしてローカルあるいはグローバルな定義から生じた、ローカル座標系の原点について詳述する。
 
5.4.3.2 longitudinal_ref(DIS−4.2.57.2)
 longitudinal_refは、オプショナルなデータで、もし存在するならば、グローバル座標系の縦軸に沿ったオフセットの値、または絶対座標の値でLongitudinal_positionを参照する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.60)を参照のこと。
 
5.4.3.3 transversal_ref(DIS−42.57.3)
 transversal_refは、オプショナルなデータで、もし存在するならば、グローバル座標系の横軸に沿ったオフセットの値、または絶対座標の値でTransversal_positionを参照する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.60)を参照のこと。
 
5.4.3.4 vertical_ref(DIS−4.2.57.4)
 vertical_refは、オプショナルなデータで、もし存在するならば、グローバル座標系の垂直軸に沿ったオフセットの値、または絶対座標の値でVertical_positionを参照する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.60)を参照のこと。
5.4.1〜5.4.3で解説したアプリケーションオブジェクト
 
−Global_axis_placement
−Local_co_ordinate_system
−Local_co_ordinate_system_with_position_reference
 
に関する、ARM EXPRESS-Gを図5.4−3に示す。
 
(拡大画面:28KB)
図5.4−3  location_concepts ARM EXPRESS-G diagram(1)
 
5.4.4 Buttock_table(DIS−4.2.7)
 Buttock_tableは、Transversal_table(DIS−4.2.114参照)の一タイプで、グローバル座標系のY軸にあるバットクラインの配置情報を持つ。
 
5.4.5 Frame_table(DIS−4.2.38)
 Frame_tableは、Longitudinal_table(DIS−4.2.59参照)の一タイプで、グローバル座標系のX軸にあるフレームの配置情報を持つ。
 
注)  
  フレームは船の内部構造のために使われる、構造上の要素である。船は、100以上のフレームを持つこともあり得る。フレームと船体モールド形状の交差曲線は、船体を通しての横断面のカーブである。
 
5.4.6 Longitudinal_position(DIS−4.2.58)
 Longitudinal_positionは、Spacing_position(DIS−4.2.101参照)の一タイプで、グローバル座標系のx軸における位置を表す。
 
5.4.7 Longitudinal_table(DIS−4.2.59)
 Longitudinal_tableは、Spacing_table(DIS−4.2.103参照)の一タイプで、グローバル座標系の縦軸(すなわちx軸)に沿って配置を持つ。Longitudinal_tableは、Frame_table(DIS−4.2.38参照)あるいはStation_table(DIS−4.2.108参照)であるかもしれない。
 Longitudinal_tableと関連するデータは以下の通りである。
 
−spacing_table_representations
 
5.4.7.1 spacing_table_representations(DIS−4.2.59.1)
 spacing_table_representationsは、longitudinal tableを作る縦の配置について詳述する。アプリケーションアサーション(DIS−4.3.61)を参照のこと。
 
5.4.8 Spacing_position(DIS−4.2.101)
 Spacing_positionは、船の設計から製造までの間の様々なジオメトリあるいは構造上のアイテムのために点を参照する時に使われる、船のグローバルな座標軸上の配置である。Spacing_positionは、Spacing_position_with_offset(DIS−4.2.102参照)、Longitudinal_position(DIS−4.2.58参照)、Transversal_position(DIS−4.2.113参照)あるいはVertical_position(DIS−4.2.123参照)であるかもしれない。
 
例)  
  Spacing_positionの典型的な表現は、Longitudinal Frame 123、あるいはTransversal Frame10、Transversal Frame 100、Transversal Frame 100.1等であり、これに加えて、グローバル座標の原点までの距離が、例えば154.5mと定義される。
 
注)  
  図5.4−4は、縦方向、横断面、および高さ方向のSpacing_positionオブジェクトを図示する。
 
(拡大画面:73KB)
(拡大画面:23KB)
図5.4−4 Spacing_position
 
 Spacing_positionと関連するデータは、以下の通りである。
 
−name
−position
−position_number
 
5.4.8.1 name(DIS−4.2.101.1)
 nameは、参照点を識別するために使われるラベルについて詳述する。nameは特定のSpacing_positionのために詳述される必要はない。
 
5.4.8.2 position(DIS−4.2.101.2)
 positionは、船のグローバル座標系原点までの距離について詳述する。距離が計られる軸は、Spacing_positionのタイプに依存する。
 
5.4.8.3 position_number(DIS−4.2.101.3)
 position_numberは、Spacing_positionに与えられる数の識別子について詳述する。







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