船の設計、建造、運航のライフサイクルの中で、船体モールド形状に関する製品データを対象としており、フェアリングを含む船型開発、数値水槽による推進抵抗計算、復原性計算、縦強度計算、耐航性・操縦性計算・タンクテストなどの活動をサポートしている。機能としては船体モールド形状（外板及び暴露甲板の形状、内部モールド形状）の定義やHydrostaticsに関する特性などのモデルを取り扱う。船体の幾何表現としてはオフセットポイント、3Dカーブ、曲面がある。なお、このAPの概要を図3.2.2-1に示す。

　

　この章では、AP216の対象範囲を明確に定義している。以下のものがスコープに含まれている。

　

　以下のものは、スコープに含まれていない。

・モールド面を使って定義される外板の製品定義データ

・船の区画と配置に関連する製品定義データ（AP215）

・船の構造と組み立てに関連する製品定義データ（AP218）

・船の機器類と上部構造に関連する製品定義データ（AP2272^ndEdition）

・プロペラ、ラダー、制御面のメカニカルシステムおよび材料（AP2272^ndEdition）

・船のライフサイクルにおける廃止ステージに関連する製品定義データ

・運動性能や操縦性能のような船の流体力学的特性

・船の損傷時の復原性能（AP215参照）

・船の縦強度

　

　

　ここでは、ship moulded formでデータ交換を行うための定義と幾何表現、そしてhydrostatic属性の情報要求について定義されている。そしてそれぞれのアプリケーションオブジェクト間のリレーションも記述されている。

　

ship moulded form で使用されているアプリケーションプロトコルの機能単位は以下の通り。

　

ship moulded formでグループ化されているものは以下の通り。

　

Moulded forms（型形状）

　型形状の定義とAP216の属性の詳細情報を備えるグループ。

Product definition framework（製品定義構造）

　船共通モデル（13）のキーを備え、どのように関連づけ、どのように属性を定義し、どのように表現するかという一般概念を備えるグループ。但し船共通モデルで識別されている全ての構成要素は、このアプリケーションプロトコルのために要求されているものではない。

Product structure（製品構造）

　主に区画や組立またはシステム的方法によって生じる製品構造のレべルの違いについて記述されているグループ。

Support resources（支援リソース）

　造船アプリケーションプロトコルで使われているSTEP40番のリソースを備えているグループ。

Utilities（ユーティリティー）

　構成管理、配置管理、基本幾何そして造船アプリケーションプロトコルで使われているその他の情報を備えるグループ。

　

　AP216データモデルの一般概要を図3.2.2-2に、またそれぞれのUoFがサポートしている詳細機能と機能単位の関係を図示すると図3.2.2-3のように表せる。

　

　

　

　このパートでは、機能用件とサポートされる実装方法の要件、そして標準参照の適正要件を含んでおり、次のようなオプションを備えている。表3.2.2-1にそれぞれの機能単位が属するclassを定義する。