3 ISO/TC作業に期待される利点
特定の利点とは、次の各項に掲げるとおりである。
1. |
増大する規則に代え、自主的でコンセンサスを得た海事業界規格の増加(現在100を超すISO/TC 8作業項目は、IMO要件に直接役立っている。) |
2. |
IMO規則は詳細なことの実行面は各ポートステートに依存している。広範な面を備えたIMO規則を実施するための技術的規格を提供すること。(規制要件を、全世界的実施のため特定の業界規格に移し変える能力) |
3. |
国際規則のための基礎として役立たせるため業界規格を提供すること。 |
4. |
環境上の配慮と繁栄する海事業界との間の適当な均衡を保つこと。(安全と環境は、基本的なIMOの関心事である。採用されている業界規格を通じ、我々は、規制上のニーズと業界の残存との間の均衡の創設を可能とする。) |
5. |
どの国のどの造船所で作業が行われるかにかかわらず、船舶の設計、建造及び修理に係る共通する基礎を船主に提供すること。 |
6. |
各船主の船隊において、同じ型の船に通じる主要な部品及びシステムの互換性を確保すること。 |
7. |
国際的に統一した設計又は建造の規格を適用することにより、船舶建造単価を引き下げること。 |
8. |
CEN TC300のような地域的組織体の活発な参加を通し、国際規格の作成及び使用並びに地域の規格の調和に対し、より大なる支持を得ること。(海事産業は国際的であるから、地域又は国の規格は、貿易障壁を増大し、市場規模を局限することしかせず、かつ、「ビジネスの面の平坦化」(不公平是正)には役立たないだけである。) |
4 ISO/TCにおける代表及び参加
ISOメンバー組織の数(Pメンバー及びOメンバーの数−Pメンバーが21でOメンバーが26)
TC 8分科委員会ごとの状況は、下表に示すとおりである。
SC1−15P, 17 O |
SC7−11P, 15 O |
SC2−12P, 8 O |
SC8−13P, 17 O |
SC3−14P, 6 O |
SC9−15P, 9 O |
SC4−14P, 17 O |
SC1O−12P, 13 O |
SC5−12P, 10 O |
SC11−17P, 13 O |
SC6−11P, 14 O |
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・世界の海事国家からの参加は、よく釣合いのとれた状況にある、ISO/TC 8は、すべての主要な世界の造船者、海運産業部門、規制者、船級協会及び港湾からの参加を得ている。海事産業参入の開発途上国及び移行中の経済状況の国は、参加を増やしている。
・ISO/TC 8へは、世界のすべての地域からうまく代表が送られ、たいへん好ましい状況にある。CENが大きくのしかかっているとするISOのある分野に対する批判が聞かれる。このようなことはTC 8においては全くない。我々は、CENとは抜群の作業関係にはあるが、我々は、世界中と平等の関係を保っている。うまく均衡のとれた国家的参加に加えて、ISO/TC 8は、そのような均衡をその委員会及び分科委員会の指導層においても保っている。
議長は、米国から出ており、幹事国は日本である。l1の分科委員会中、議長は、欧州が4、アジアが3、米国が2、そして東欧が2となっている。また幹事国は、欧州が3、アジアが3、米国が3そして東欧が2となっている。
・成功への鍵には、他の国際機関及び主要地域的組織体との密接な協調を必要とする。その中でも最も意義のある機関は、国際海事機関(IMO)である。多くの対外連係を保つものの中で、主要な追加の機関は、次のとおりである。
・国際船級協会会議(IACS)
・国際港湾協会(IAPH)
・国際海運会議所(ICS)
・国際電気標準会議(IEC)−TC18/TC 80
・世界貿易機構(WTO)
・国際水先人協会(IMPA)
・国際労働機関(ILO)
・アメリカ造船造機学会(SNAME)
・国際連合ヨーロッパ経済委員会(UN/ECE)
・国際掘削業者連合(IADC)
・石油会社国際海事評議会(OCIMF)
・国際水路機関(IHO)
・国際海運連合(ISF)
・国際タンク曳航会議(ITTC)
・国際水路標識灯台協会(IALA)
・国際海事無線会議(CIRM)
・ヨーロッパ標準化委員会(CEN)−TC300及びTC15
・ドナウ川委員会
・ライン川委員会
・他のISO専門委員会との連係
ISO内の最も重要な連係は、TC67(石油及び天然ガス業界に係る材料、機器及び沖合構造物)との連係である。MOU(了解覚書き)は、TC 8及びTC67の議長間で2000年9月11日に署名された。このMOUは、「両TC間の多々ある共通の海事利害関係」と「IMOのSOLAS又はMARPOLの規制を受けた船体構造、投揚錨装置又は航行設備を備えた、石油若しくは天然ガス装置又は上部構造物のある沖合掘削生産船関係に一緒に参加したいとの希望」とがあることを考慮に入れて成立した両TC間でのISOの最初の協定である。TC 8は、IMOとの主要なISOインターフェース(他機関との接続)を引続き担当する。
ISO内のその他の内部的連係は、(特定の業種の部門ということではなく)設備又は特定のシステムに係る責任を横の関係にて有する諸専門委員会と、主として結ばれる。ここでの重要なことは、各専門委員会で作成される規格が海洋環境において有用であることを確保し、かつ、機能に関する専門家の専門知識を利用していることである。
・募集及び一般広報
1. |
欧州、アジア及び米国の非常に活発な参加を得ているが、主要な取組みとして、我々の活動的メンバー国参加を、より多くの開発途上国、他の地域機関(COPANT、PASC等)に更に広げることであろう。我々は、活動的なメンバーの増加に専念するのみでなく、我々は、我々のメンバーの職種の幅を大きくし、建造者、運航者、船主、供給者、設計者、政府その他ユーザーといった海事産業のすべての面を十分代表させるよう尽力することとなる。 |
2. |
TC 8の活動をよく知ってもらうための広報については、広報宣伝(Publicity/Public Relations)議長と、アドホック・グループ(ISO/TC
8議長指名)を通して調整が行われるであろう。TC 8の活動(すなわち、分科委員会会議、個々の委員会会議、及び主要成果)の広報をますます盛んとする方向に努力の焦点を合わせることとなろう。これは、「各種の海洋産業出版物の使用」及び「海事業界にISO委員会TC
8の尽力の程を更に有効に知らしめ得る他の宣伝手段」を通して達成するものとする。 |
3. |
多くの記事が、ISO定期刊行物にてこれまでに出されており、今後もこれは継続されるであろう。特別記事は、BIMC0 1998年概観中に収められていた。ISO/TC
8ニューズレターが、刊行されている。これは現在1,500を超す部数で年2回発行されている。これは、直接ウエブ・サイトでの使用のためにはカラーで製作されている。ISO/RC
8のパンフレットは、作成され、広く配布されてきた。このパンフレットは、定期的に現状に適合するよう見直しを受け、ISO/TC 8のための主要な宣伝用具として用いられるであろう。講演や説明は、議長、顧問グループのメンバー、及び分科委員会議長が、各種国際会議、シンポジウムその他の集会において、ISO/TC
8とその活動状況についての一般の関心を高めるため、行うであろう。議長は、テレビ、ラジオその他のメディアを通じ、TC 8会議に関し、インタビューを行ってきたし、また可能なら今後もこれを続けるであろう。 |
4. |
船舶及び海洋技術に関するISO規格の要約集成版が発行されており、1年おきに更新されるであろう。これは、規格のもとであるISO
TCいかんにかかわらず、海事産業に関するISO規格の骨子を含む即席参照用文献として利用し得る。現在の国の海事規格及び地域の海事規格の検討版が刊行されたが、これは、以後も維持される。これは、国際規格にとり、潜在している分野を早急に参照する上に用い得る。 |
5. |
ISO/TC 8作業計画とともに、ニューズレター、パンフレット、演説、その他広報用材料はすべて、インターネット上で利用可能とされよう。 |
6. |
TC 8メンバーを訓練したり、新たに積極的活発な参加者を引きつけるため周知したり、又は規格作成過程の助けとしたりするため、特別な出版物を作成することが考えられる。 |
7. |
会議及びセミナーは、1以上の技術分野において、知識の向上に役立たせるため行うことが考えられる。セミナーは、委員会会議と同時に主催国において、業界、政府機関及び教育機関に対し、施されている。 |
8. |
議長設立のアドホック・グループにより、奨学計画が検討されている。 |
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