8−2−2 複合プロトタイプの評価方法
(1)試験装置
試験装置計装系統図を図8−26に示す。高温ガスには、電気炉により加熱したホットエアーを用いることとし、また放熱を極力抑えるためプロトタイプ試作機周囲は真空断熱とした。
(2)試験条件
表8−9に試験条件を示す。想定プロセス及び改質反応温度依存性評価結果をもとに決定し、CO2改質試験及びH2O改質試験にはそれぞれのプロトタイプ試作機を用いる。
H2O改質試験ではCO2改質触媒出口ガス組成を想定し、CO、H2共存下での試験も実施する。
(3)評価項目
A. 高温ガス及び改質原料ガスの温度分布
・試作機セル内において、それぞれ5ヶ所(計10ヶ所)の温度測定を行い、伝熱特性を評価する。
B.CH4改質率
・CH4、CO2、CO、H2を測定し、改質反応特性を評価する。
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図8−26 計装系統図
表8−9 試験条件(計画値)
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CO2改質試験 |
H2O改質試験 |
触媒 |
Ni(1%)−Ru−CeO2−MgO−Al2O3 |
Ru−CeO2−MgO−Al2O3 |
改質ガス |
ガス量(Nl/min) |
7.5〜15.0 |
7.5〜15.0 |
入口温度(℃) |
600 |
500 |
圧力(ata) |
1.0 |
1.0 |
試験Run |
Run1 |
Run2 |
Run3 |
組成 |
CH4 |
39.0% |
32.4% |
10.9% |
CO2 |
61.0% |
− |
23.1% |
H2O |
− |
67.6% |
22.6% |
CO |
− |
− |
21.7% |
H2 |
− |
− |
21.7% |
ガス量
(Nl/min) |
CH4 |
2.925〜5.85 |
2.43〜4.86 |
0.8175〜1.635 |
CO2 |
4.575〜9.15 |
− |
1.733〜3.465 |
H2O |
− |
5.07〜10.14 |
1.695〜3.39 |
CO |
− |
− |
1.628〜3.255 |
H2 |
− |
− |
1.628〜3.255 |
SV(h−1) |
2,500〜5,000 |
2,500〜5,000 |
高温ガス |
ガス量(Nl/min) |
50.7〜101.4 |
28.2〜56.4 |
改質ガス量との比 |
6.76倍 |
3.76倍 |
入口温度(℃) |
750 |
550 |
圧力(ata) |
1.0 |
1.0 |
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8−2−3 複合プロトタイプの試運転
試運転にあたり先ずは、プロトタイプ試作機の気密性を確認する必要がある。そこで、常温にて加圧の気密試験を行ったところ、改質ガス側と高温ガス側を隔てているNi隔壁部及び熱電対固定座における溶接部からのリークが確認された。これはNi金属同士の溶接に問題があり、金属の拡散、延展性が不十分なことによりピンホールが発生したためと考えられる。従ってプロトタイプ機の試作においては、特にNi部溶接に注意が必要であることが分かった。
8−2−4 まとめ
プロトタイプ機を試作し、試作機の評価条件等を決定した。しかし試運転を行ったところ、プロトタイプ試作機の気密性保持が課題であることが判明した。改質装置としては気密性保持が非常に重要であるため、今後このことを念頭に置き開発を進めていく必要がある。
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