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2003年2月号 さぁ、言おう
さわやか福祉財団
 
表紙絵から
●カワセミ●
 
『さぁ、言おう』投稿募集
あなたの意見を社会へ生かそう
『さぁ、言おう』は皆様の声を社会につなげる問題提起型情報誌です。
ぜひ皆様の声をお寄せください
 『さぁ、言おう』では、取り上げたテーマに対する読者の皆様からのご意見・ご感想、あるいは普段気になるテーマに基づいた体験記や提言などを随時募集しています。
 
常設テーマ
地域の助け合い活動について
 ふれあいボランティアやNPOの活動から得たとっておきのエピソード、あるいは活動上の問題・疑問など。
生き方について
 年齢に関係なく前向きに意欲的な人生を過ごしている方、波乱万丈の人生の中でも負けずに新たな道を進もうとしている人など、皆様の身近にいる素敵な方々をご紹介ください。
制度・施設について
 この制度・施設ここがいい、ここを直してほしいなど、体験談や具体的なアイデアなど。
その他自由随筆など
 
投稿の方法
●字数や回数制限はありません。ただし、掲載にあたっては誌面の都合上、編集要約する場合がありますので予めご了承ください。
●一般投稿は形式は問いません。本誌添付の投稿ハガキなどもご自由にご利用ください(ただし原稿はお返しできません)。
●投稿は、事情が許す限り本名でお願いします。ただし掲載時には匿名、あるいはペンネームの使用も可能ですので、その旨お書き添えください。
●投稿時には、お名前のほかにご住所、連絡先お電話番号をご記入ください(内容により質問させていただく場合があります)。性別、年齢もよろしければお書き添えいただければ、大変参考になります。
 
送付先
〒105−0011
東京都港区芝公園2−6−8
日本女子会館4階
財団法人さわやか福祉財団
『さぁ、言おう』編集部宛
FAX 03(5470)7755
E-mail
pr@sawayakazaidan.or.jp
 
挑戦―幸福(しあわせ)づくり
堀田 力
さわやか福祉財団理事長
お金では買えない人生の楽しみ
養老孟司さんと雑談していたら、彼が、ふと、「グルメなんていうけど、おいしく食べたかったら腹ペコにすればいいんですよね。
その方が健康によいし」と言った。
考えてみれば、お金をかけずに、お金をかけて得るのと同様の楽しみ、喜びを味わう方法は、いくらでもある。
 
 政官財界の最大の課題は、景気回復であり、そのためのデフレ対策がさまざまに諭じられている。日々マスコミの論調に接していると、デフレというやつは困ったやつだ、という気分になってくる。
 ちょっと待ってほしい。何年か前まで、「東京の物価は、ニューヨークより高い。世界一暮らし難い街だ」などとみんなで騒いでいたではないか。
 物価が下がることは、生活者にとっては有り難いことであり、安心できることである。景気回復のための調整インフレなんて、たとえインフレの調整(コントロール)が可能だとしても、とんでもない発想である。若年者や中年者による暴動が起き、高齢者の自殺が増えるであろう。
 不景気は、物が余っていること、そして、魅力ある物が開発されていないことの表れである。そんな状況の中で、無理矢理景気を良くしようとカンフル注射をしても、効き目は一時的で、事態はさらに悪化する。そのことは、この10年間で何度も経験した。これ以上同じ過ちをされては、国民の我慢の緒が切れるであろう。
 生活者としての国民はとても賢く、事態を冷静に認識し、節約に努めながら、お金を使わずに結構楽しみながら日々を送っている。
 それだけでなく、お金がいくらあっても得ることのできない楽しみを、どんどんつくり出している。それが近隣の助け合いであり、さまざまなボランティア活動、NPO活動であり、時間通貨・地域通貨であり、ふれあい型グループホームである。そこで得られる人との交流の温かさは、どれだけの大金を払っても得られないものであり、そこで得られる生きがい、生きていることの充実感は、プロジェクトXの達成感に匹敵する。そして、それらの活動は、まぎれもなく、行政の出費を節減する。
 その力を正しく認識すれば、少しはゆとりを持って、適正な政策を打ち出せると思うのだが・・・。







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