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プロとボランティアサービスの連携が高齢社会を支える鍵
 さわやか福祉財団では、4月下旬、全国で在宅福祉サービス活動を展開している団体に向けて、2000年度の税務申告状況等について緊急アンケートを行った。その結果はP16〜17の通りだが、流山ユー・アイ ネツト同様、合算で申告したのが47団体。また、助け合い事業のみでも申告するよう指導されたのが10団体あった。まだ地域によって税務署の対応に違いがあるが、課税を全国的なものにしようという国税側の動きは強まりつつある。
 お金というのは非常に微妙なものだ。労働の報酬としてもらえばもらったなりに自覚と責任を生み、プロとしての意識が生まれる。結果、ボランティアでやってほしいと頼まれると、今度は嫌がるという現象が現に起きている。
 有償ボランティアで広まってきた高齢者の孤独な心を癒すような活動を、ならばまったくの無償でやるのか、あるいは労働の対価としてお金を取るのか。お金を取ったら、やるほうも頼みはしない。まったくの無償ならば、過去数十年で経験済みのように、それでは頼みにくいと、廃れていくのは自明の理だ。
 「人間て何なのだろう、お金を稼ぐとはどういうことなのか、労働とは何なのか、人が社会の中で生きるとは何なのか、社会を良くする活動とはどういうものなのか、国税の見方はこれでいいのか。今回の問題は、いわば日本の今後の新しい社会づくりの根底に関わる問題です」(堀田力)。
 審査請求は通常、1〜2年ほどで結論が出るのだが、請求日から3か月を過ぎれば裁判にもっていくことも可能であるため、現在様子を見ている段階である。しかし、正しい法解釈が得られるかどうか。新しいふれあい社会の仕組みづくり、あなたはこの問題をどう考えますか?
 
 なお、4月30日付けの審査請求に対し、6月10日付けで東京国税不服審判所から「担当審判官指定の通知及び答弁書副本」が送付されてきたため、それに対する反論を7月初旬に送付する予定です。
 
緊急アンケート調査
2000年度申告及び活動状況等
 
 さわやか福祉財団では、助け合い事業に対する法人税課税やその活動状況について、今回、緊急アンケートを行った。調査結果の一部をご紹介しよう。
 
実施:2002年4月19日〜5月7日
対象:さわやか福祉財団が把握している全国の在宅福祉サービス団体
手法:アンケート用紙郵送・ファックスによる回答方式
集計:2002年5月8日現在
有効回答数:243団体
Q 2000年度の税務申告の有無について
Q 税務申告の有無についての理由
Q 1時間当たりの謝礼金(利用料)と事務費について
Q 謝礼金(利用料)の位置づけ
Q 利用料の割引、もしくは無償サービスを行うことがあるか?
Q 団体として在宅福祉サービス以外に無償ボランティア活動を行っているか?
Q 助け合い事業(ふれあい事業)で余剰金はあるか?
Q 剰余金が生じた理由について







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