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ヨコモノの取り付け
 カンヌキやトコなど、船体に対して垂直に交わる部材を総称してヨコモノと言います。
 
カンヌキの取り付け
 カンヌキはオモテとトモに取り付け、イカリヅナを結びつけたり、漁具をかけたりするのに使います。まずカンヌキを入れる場所にスミツケし、ドリルで2箇所穴を開け、そこからヒキマワシを入れてくり抜きます。
 
 
トコの取り付け
 トダテの後ろにトコを取り付けます。今回は、帆と舵で操船した時代のように、トコにカジアナを開けました。また、櫓を漕ぐ為のログイも装着しました。現在は、船外機を装着する為、カジアナはなく、トコの幅も広くなっています。
 
 
アバラの取り付け(補強材)
 イソブネのアバラはノセアバラという形式です。
 
シタアバラの取り付け
 シタアバラ(アバラ台)は、タナイタを付ける前に、取り付けます。ツカセで固定し、接合面をスリアワセし、ボルトに水漏れを防ぐカナイト(綿糸)を巻いて取り付けます。下部にはアカ(水)を流すガニメ(蟹目)を開けます。
 
 
ノセアバラの取り付け
 タナイタを付けた後、シタアバラの上にノセアバラを取り付けます。ノセアバラは強度の強い、枝曲がり材で作ります。ドリルで下アバラとともに船底まで穴を開け、カナイトを巻いたボルトを打ち込み、しっかりと取り付けます。
 
 
コベリの取り付け
 コベリはタナイタ上部を補強し、船を美しく見せます。
 今回は木ねじで固定しましたが、本来はカエオリを使います。現在、船釘は入手困難になっています。
 
 
ミヨシの装飾
 型紙を使ってミヨシの内側に人形状の模様を描きます。これはオトヒメサマ、フナダマサマ(船霊様)と言われます。
 
 
化粧板の取り付け
 化粧板はタナイタのトモの部分に取り付け、船を見栄え良くさせる意味があります。また、地域や船大工により模様が異なるので、どこの船大工が造ったものかがわかるとも言われます。何種類もの丸ノミを使い分けて彫ります。
 
 
イタゴを敷く
 船底にイタゴを敷いて完成です。イタゴは船底を平らにし、足元がぬれるのを防ぎ、作業をしやすくします。
 材料は主にスギを用います。スギは薄くても割れにくく、軽いので最適です。
 







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