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A Comparative Study of Coastal Processes in Asian Countries
 
By Tomoya Shibayama
 
Department of Civil Engineering
Yokohama National University
Hodogaya-ku Yokohama, 240-8501 Japan
e-mail : tomo@ynu.ac.jp
telephone : +81-45-339-4036 facsimile : +81-45-348-4565
 
A comparative study was performed for coastal processes in Asian countries including Japan, Thailand, Indonesia and Vietnam. The examples of coastal erosion problems were collected, classified and discussod in relation to the development stages of county's economical development. Time history of occurrences of these engineering problems is compared with economical and social development stage of each country. It is found out that coastal problems are closely related with industrialization and development stages.
 
First, the experiences of Thailand are compared with those of Japan. In the decade of 1980's, Thailand attained a very rapid growth of GDP (Gross Domestic Products) . At the same time we experienced a number of coastal erosion problem such as in Bang Tao Bay of Phuket Island. These erosion problems are closely related to development activities in coastal area. The changes of coastline in Thailand in 1980's are parallel to those of Japanese experiences in 1950's.
 
Second, the experience of Vietnam is compared with those of Japan and Thailand. Coastal survey along the Vietnamese coast was performed in 1996 and compared with the report of l992 and 1999. It appeared that according to the rapid economic growth after 1995, we can find out the same type of coastal problems with those of Japan in 1950's and those of Thailand in 1980's.
 
The change of coastal processes is a complicated result of coastal area developments. The development activities are as follows : (1) port constructions, (2) reclamation projects, (3) river mouth treatnent, (4) improvement of river system including dam construction, and (5) dredging of bottom materials for the use of construction materials. There are varieties of response time of coastal change due to coastal development projects, from immediate changes to scale of decades. Among these responses, long-term response gives effects to wider area and the mechanism of change is not easy to understand and therefore it is difficult to predict before the project starts.
(座長 Dr. Kim)沿岸および海洋エンジニアリングに関してのフォーラムをはじめたいと思います。横浜国立大学の柴山先生と共にコンビーナを務めるキムです。今日は6名の著名なパネリストの方に起こしいただいていますので、フォーマルな形のプレゼンテーションを10分から15分ずつで行っていきたいと思います。プレゼンテーションの後、フロアの方から質疑を受けたいと思います。最初のスピーカーは中国・南京大学のイン・ワン先生です。ワン先生は地質学がご専門で、中国科学アカデミーのバイスチェアマンです。それではワン先生お願いします。
 
(Dr. Yien Wang) まず皆さんから教えていただきたいことがございます。今日の私の話は、中国における沿岸海洋学の現状についてです。大陸棚そして大陸棚斜面を含むものです。この全体のゾーンは陸地と海洋が相互に相接する部分であるという意味です。21世紀は我々が海洋資源の利用法を探っていく世紀だと思っています。中国は32, 000kmの海岸線を持っており、6, 000の島と370, 000km2領海と3, 000, 000km2排他的経済水域を持っています。この海域はさまざまな海洋資源を提供してくれますし、中でも240億トンの石油、そして14兆m3の天然ガスを貯えています。そして25の沿岸のフィールドと7つの天然ガスの盆地を含んでいます。これらは南沙諸島にあるもので、320から430億トンの生産量になる、かなり大きな潜在量です。天然ガスハイドレート(NGH)はインフラマボアイスという形で、南シナ海の3, 400m以上の深さの海底にあります。将来これは中国で生産される天然ガスの50%を占めることになります。今、海洋経済は加速しており、1980年の収入は2億5千万元でした。数字は日本やアメリカより大きくはありませんが、加速度は相当なものです。21世紀の初めから急速な発展期を迎え、中国は海洋学の教育に力を入れています。そして科学、漁業の開発に力を入れていますし、生態系の保護にも力を入れています。海洋の権利を守るということは重要ですが、これは国連海洋法に従ってのものです。ここで中国は何を行っていくかという話に移ります。
 イントロダクションに加えて、最初に沿岸の石油そしてガスの探索があります。主に海岸沿いの地域の大陸棚、大陸棚斜面を含むものですし、渤海を含みます。ハンジョプロビンスの外になります。南シナ海の海底には天然資源が豊富にあります。そこで私達はさまざまな技術を培ってきました。地学の分野でも3Dの深度測定器を作っています。そして地震データを集めるためのケーブルを準備しており、中緯度やそれより低緯度の海溝を探っています。我々はリフレクトメーターや海底ケープルの設置も行っています。2番目は鉱物資源です。これは砂に関するものだけではなく固い金属を含みます。この金属はスペースシャトルにも使われています。これはサンデービーチ湾岸におけるものです。そして南シナ海や湾岸を中心に行っています。また、アルミ等の海底鉱物資源が海南島の近くで見つかっています。地学的な調査や鉱物資源学、工学等も含み、そして海洋交通も含みます。港は中規模のものが236あり、その他にも大きなものもあります。22の港が10, 000トンクラスの船を受け入れることができます。160ヵ所では中程度の港が作られています。理想的な港湾を採掘の問題を避けながら見つけるようにしています。より深い港湾開発、探索も行っていますが、これは大きなコンテナ船発着のためです。3番目が漁業です。これは急速に伸びていますが、環境の問題があります。例えば海底の状況や、嵐に対して様々な問題があります。しかしこの漁業に関する研究で最重点をおいているのが、養殖による水産物の開発です。例えばどのような病気を予防できるかを研究しています。中国ではシーフードが非常に注目されていて、96年には中国人一人あたり平均23kgを摂取しています。今やシーフードは中国の国民食なのです。5番目は塩と産業です。これは中国でも2番目に大きな産業です。主なものは海塩と岩塩があり、その利用方法が研究されています。最近は沿岸地域の観光についてがあり、我々は計画・設計そして管理までを行っています。昨年の時点で、週末の観光地にはこれまでの3倍の人が集まりました。これは5月から7月の期間です。その時期にこういった海に面した地域が最も混みました。この結果、活動が盛んになります。7番目は技術的な部分ですが、マルチパーパスの利用法とリサミネーションですが、これは海底だけです。ウラン等の探索と海水の淡水化という分野です。南シナ海でも取水量は多いのですが品質が良くありません。これは公害のためです。ここでは塩分を除く作業が必要となりますし、みなさんの健康のためにも必要です。8番目が海洋関係の医療で、ヘルスケアの食物でカルシウムが重要になります。最後が沿岸のエネルギー開発です。風力や港の灯りのためのエネルギー、塩、温度差によるエネルギーを利用したものです。これは沿岸地域では石油が十分ないために始まった開発です。マルチセンサーを使って97年の11号台風を表した図ですが、もう一つの図は東シナ海で起こったもので、これも河口域に台風による大きな被害をもたらしています。沿岸域以外に局地における研究も行われています。そして海底の環境調査、鉱物資源の研究が国際的にも行われています。大型観測所を半島の部分に建造しましたが、ここでは主に水質を調査します。4番目がさまざまな沿岸工学のプロジェクトです。総流出土砂量は、広い川ですが、堆積物の45トン分が流出土砂量です。最近は少し量が減っていますが、泥が非常に多く沿岸の3分の1が堆積物からなっています。したがって653, 000haの部分が流出土砂によるものです。最近は埋め立てた土地はフルーツの栽培のために使われています。中国では西部の人たちを東部のこの埋め立て地に移住させる必要があります。
 次は港湾開発についてです。航路をマイナス10mまで掘っています。ここでは特に潮が高いときには50, 000トンの船が通ることができます。ウィジョウ島で人工的な半島が陸地と繋がっていますが、これが港湾開発プロジェクトです。これは主要なエンジニアリングになりますし、大学の人たちがこのプロジェクトに参加しサポートしてくれています。そしてよりよい理解を図るために貢献してくれています。大学の研究チームは調査にとってよりよい環境を作っています。
 そして石油探索では埋蔵量の多い地域が南沙諸島で見つかっています。その埋蔵量は430億トンです。そして天然ガスの採掘を55%の作業率で行った場合、渤海ではルンシャンとスジュンの施設が操業を始めていますが、これは調査のためのブイです。以上です。ありがとうございました。
 
(座長 Dr. Kim) どうもありがとうございました。次のスピーカーはタイから参加した、スラフォル・スダラ先生です。スダラ先生はタイで最も古い、バンコクにあるチュラロンコン大学の海洋工学、海洋科学の教授です。
 
(Dr. Sudara) 座長そして皆様方ありがとうございます。私はタイの現状説明をいたします。タイにはおよそ2, 600kmの非常に長い海岸線があります。幅広い地域が海に対してありますが、東タイにおいてはあまり良い知識を持っていません。というのも海洋からいろいろなものを収穫し、いろいろなところから学んでいるのですが、これは必ずしも専門性を持っているわけではありません。そして外国からの助けを要請しています。タイ湾は非常に浅い湾です。そして国の西側にアンダマン海がありますが、こちらはオープンな海です。このマレー半島の東側と西側とでは大分状況が違います。海洋工学では私どもはタイ湾にいろいろなドリリングプラットフォームを持っています。主にタイ湾に、外国資本によるドリル掘削作業基地があります。そしていろんな開発に関する援助が行われていますが、それに基づく海洋ドリリングプラットフォームです。そういったドリリングプラットフォームの一部においては、毒性物質が漏れるという様な事故や、あるいは汚染があり、そして場合によってはプラットフォームで水銀が流出したという話がありました。そうしたことによって水銀が外洋に流出しないようにすることが必要です。これらを国際水準で考えると、本来はそういったものを認識して対処すべきなのですが、後で指摘してそれに対して意見を述べていくというよりもむしろ、前もって対応していくべきであります。この点においても我々自身もいろいろ努力をしているのですが、私たちには経験がないのです。いくつかのドリリングプラットフォームの中には廃棄されているものもあります。それからテクノロジーとしてどのようにこれをなすべきかということがまだよく解っていません。まだ初期の段階で、すなわち海洋科学者やエンジニアが検討するべき最初の内容なのです。タイには世界で最も長いパイプラインがあり、ジョンプロビンスまでパイプラインが作られています。このパイプラインは2年間で作られました。当時の天然ガスの輸送ではほかによい輸送方法がなく、計画から建設に移るまでには更に2年かかりました。最初はこの天然ガスに対する関連産業がありませんでした。従って天然ガスをかなり無駄にしたことになります。そしてこの海洋掘削から発展してたくさんの海底鉱山が見つかりました。タイ南部にはたくさんのスズが埋蔵されているのです。スズの採掘は一旦スタートするとほぽ50年から60年は掘れ、特に技術の向上を必要としません。最近はエコロジスト達が周辺の自然に対し、大きな被害を与えているという主張をしています。従って公害問題があり、沿岸部の生体系に対する悪影響が問われています。この地域がそういうところから被害を受けているのですが、そういった環境学者側がこれらの状況を見据えて対決しています。しかし残念ながらこのスズの価格が非常に安価な時代だったので、処置法や方式を改善しようとしてもそれができず、あまりよい運用がされていません。従ってもう一度どのようにやられているかということを再検討する必要があるのです。このスズの鉱山に関してはどのように取り組むべきか、その他の自然に対して影響を与えることなくどのようにできるか、という検討が必要であります。深海に関してもいろいろな取り組みがあります。船舶が河川を航行するので、大型船の航行はバンコクでは無理なのですが、バージを使い小型の船に乗り換えてバンコク市内を航行しています。運河のドレッジングをしていくため、ボートが入るような狭い川には船舶が入ることができます。しかし、運河によって沿岸侵食という問題がだんだんと大きくなっています。沿岸侵食に関してはいろいろと対策をとっていますが、何ができるかということに焦点を当てるのはひょっとしたら充分にシステムに対する理解ができていない、あるいは沿岸工学や海岸工学があまりよく考えられていないということであり、問題に対処することができない状況なのです。また、多くの船舶が入れるようにしてある場所が、地域住民の反対によりこの島は観光産業が盛んな地域だったのが、貨物船の中でもコンテナタイプの貨物船だけを限定して入れるという選別が必要になってきています。このソンクラー地域は沿岸線にコンテナーヤードを作ろうとしていますが、水深30mが必要なところ水深11mしかないため、大型船は入港できないでいます。従ってその問題の修正としてサンドトラップを作り、サンドトラップで砂の侵入を抑えています。それでも更にこのシーポートの近くでは侵食が起きています。侵食はこの沿岸部全体に対して起きています。それはいろいろなことを適切な知識なく、またシステムの適切な理解なく対処が行われたからです。現在は更に問題がおこり、問題を解決しようと予算を使いながら向上しようと努力をしています。
 今度は私どもが関与していたところですが、いくつかのエリアを見ていただきたいと思います。例えばこの地域はパタヤの近くにある小さな村落のイラカ地区ですが、昔はもっとツーリズムが盛んでした。この島の湾に入るには小さな湾口しかなく、多くの人が行くために道路が建設されましたが、下水が充分に流れないためここの水は公害汚染が非常に激しくなりました。また堆積物がどんどん堆積しています。従ってどんどん浅くなるという問題が起きています。更にどんどん海岸線が後退しています。我々には先見の明を持ってこの地域をどうしたいかという問題があるのです。この地域開発に関して、希望としてはもっと多くの人が観光に来てもらいたいという望みがありますが、しかしそれをすることによってかえって問題が起きてしまったのです。すなわちこの事業によって観光客が減少しています。本来はここまでが海岸線であったのですが、このような道路を建設して島が発展できるようにしたのです。従って主張としてはそのような道路を壊してしまった方がいい、すなわち島に行きたい場合は他の橋、もしくは他の手段を使うべきだとしたのです。この海岸線に関しては多くの人たちが自分の財産を主張し、それによっても侵食問題が起こりました。例えばこういったものを建築することによって、海岸線に対してダメージを与えてしまいます。この海岸線にとってどのような取り組みをすればいいかという問題において、非常に脆弱なところで開発プロジェクトを行う人たちと話をしてみると、経済的なリターンしか考えていないのでこのようなきれいなところを失っているのです。もっと開発をという努力はかえって問題を起こしているのです。また別の地域のホアヒンというシーサイトリゾートは、長期間、タイにおいても外国人にとっても非常に人気があるところでした。しかし、ビーチがどんどん狭くなっています。というのもみんなが沖合に向かって開発し拡大しようとしたため、沿岸侵食が起きてしまったのです。こちらのホテルは岸辺にあればビーチに行くのに楽だろうという認識から沿岸部に建設されました。しかしすぐ壁ができてサンゴ礁が全てなくなってしまったのです。もっと広大な面積の土地があるところに建物の建築計画ができても、時として政府予算も適切に使われていない例があります。タイでは多くの地域で観光客を引き寄せるため、海岸線に沿った道路を作りました。それが一番観光客が景色を楽しめると信じていたのですが、実際にはそうはならなかったのです。というのは道路を海岸線に沿って作ると、それによつて海岸線に行くプライバシーがなくなるという問題もありますし、更にまた道路を海岸線近くに作りすぎてしまい、このような問題が起こっています。多くの資金を投じて建設しているにもかかわらずこれらの問題が起きています。また時として、このように散歩道、遊歩道を作るというこがパタヤ等において特に問題になっていないようにいわれていますが、実は海岸線の近くにこれが作られたことによりこんな問題が起きたのです。時間が経過するとこのビーチの砂の部分がなくなります。多くの人が海岸線に何かを作るのは簡単だと考えていますが、例えば堤防を作って防波堤の役割を果たす、陸地に波がこないようにするのです。これはマングローブですが、マングローブはタイ人の生活にとって非常に重要なものです。大部分の地元の人たちはそこの魚、漁業に依存しています。このマングローブがなくなってしまうと、もはや生産性すなわち漁業における生産性がなくなってしまうわけで、多くの問題が起きています。例えばバンコクの海岸線に近いところでは1kmを失っています。これに対する問題の対処法は簡単ではありません。地元の人たちはより多くの岩を海岸線に置きましたが、それでは解決しません。実はその地域だけの問題ではなく、その河川の上流まで、そして埋め立てが行われているプロセスに関係があるからです。従ってこの地域をどのように適切に使えるかということをよく考えるプロセスが必要です。また、南部においては深刻な沿岸侵食の問題が起きています。道路をどのようにつなげるかという問題もあります。例えば4、5年経ってこの侵食現象が起きてきた場合、道路がもう海のすぐ近くにあり、さらに道路を作るには多くのお金が係るのですが、道路を内陸側に作ってもその地域には農地があるので、簡単に工事ができないのです。海岸線をずっと使っているとそれをいろいろと考慮しなければ、このような問題がどんどん起きてしまいます。こういった沿岸侵食はタイにおける問題として国内全域に広がっています。私たちに必要なのは工学的に理解してエンジニアとしてどのように建築をすればよいかということを知り、海岸線の特性を良く理解しないといけないのです。そうでないと最終的には海岸線でできなくなってしまい、非常に早い時期に破壊されてしまうのです。また国民の認識も重要です。海岸線の機能は非常に重要であるということです。従ってこういった点をよく理解できる人と相談をし、このようなメッセージを伝えていく必要があるのです。あらゆる種の教育、特に義務教育において重要だと思います。どうもありがとうございました。
 
(座長 Dr. Kim) それでは次に日本の角野先生にプレゼンテーションをお願いしたいと思います。先生は大阪市立大学の工学部長でもあります。
 
(角野) キム先生、柴山先生ご紹介ありがとうございます。本日の私の話は沿岸環境の保存と改善についてです。
 まず日本における沿岸環境の歴史と現在を、2番目に法的なアクション、堆積物の管理とプロジェクト。そして沿岸環境の保存、環境改善の目標およびオーバービューについて、そしてプロジェクト、沿岸工事の話を最後にしたいと思います。日本では1960年より急速な経済成長があり、日本の海岸沿いにウォーターフロントというものを開発し埋め立てを行いました。東京湾では70年から現在まで、多くの地区で再開発として埋め立てが行われてきました。以前の海はかなり深刻な問題を抱えていました。例えば赤潮、青潮が海の酸素の欠乏をもたらし、それにより貝類の収穫が減りました。また様々なダムが山々に作られましたが、それらは水力発電のために開発したのです。我々に関してはダムの堆積物の問題があります。貯水池の中で堆積物の占める数値というのがあります。水力発電所の10%以上が堆積物で発電量が減少するといった状態になっています。そしてまた養殖漁場を日本沿岸に作りました。河川整備、海岸整備によって砂が漂砂となりました。神奈川県の64年から94年までの海岸線の数値ですが、ここでは以前はかなり広い部分で海岸は存在していました。そして砂が存在していましたが、現在は砂浜の浸食が広がっています。川からの堆積物の供給が減ったためです。そして漂砂がトラップされました。非常に大きな埋め立て地がどんどん拡大しています。このために法的な措置が必要になりました。規則を作らなくてはいけなかったのです。特に1993年に川に関する法律が改定されました。そして1999年に海岸法を、そして港に関する法律も改定されました。その結果、環境を考慮した上で改定が行われました。そして市民グループや政府NPOのグループの人達がこの問題に対処しようと動き出しました。そしてまもなくロンドンのダンピングコンベンションというものが批准されました。最近で最も大きな事柄だったのはセディメントセルという事柄です。セディメントセルの全体に対し、海から沿岸に沿って我々はなんらかの行動を起こさなければなりません。設備を作ってダム沿いに設置する必要があるため、特別なダムを作りました。これは砂防ダムといわれていますが、非常に大きな開口部を持っています。これにより砂や岩が流れ落ちないようになっています。天然の浄化システムがかつてはあったのですが、現在は減ってしまったり消滅しています。インフロロートというもののかなりの量が存在します。そしてそれに関する品質基準が存在します。沿岸環境のプロジェクトの目的は、沿岸環境の保存と改善です。そして生態系を回復するという考え方です。タイダルフラッドのモノゾーン、水質、そして海底の堆積物の改善、保存、回復という目的があります。最終的には、予算を割り当てることができました。建設会社、コンサルタント会社あるいはメーカーはこの部分でサポートしています。
 次に海岸の保存および構築についての例を話したいと思います。人工的な方法で保存しなくてはなりません。日本の広島県のビーチの保養について紹介します。サンドバイパッシングという考えを示したものです。ここでは人工浜を作りました。その一つの例がここに示されています。そこでは水質の保全、改善を考えなければなりませんし、防波堤を作りました。そして空気を捉え水に導入する手法をとっています。またシーウォールによるものも作り、水の浄化システムを作りました。併せて海底の堆積物を守らなくてはなりません。マッドレイアードレッジングという方法です。そして過水化、固形化、ソリッドドレッジング、埋め立て、海底堆積物に特別な水中ブルドーザーを使って作業しています。そして干潟を作り、保存を行っています。NPOの人たちが干潟を維持してくれています。この干潟の保存をするためには、野外調査とモデル研究による分析を行わなくてはいけません。このセクション、プラン、スロープそして堆積物の排出、潮の流れを含めた形での分析が必要となります。これらはまだ完壁に行われてはいません。人工干潟の広島県における例では、埋め立て地とその代わりに人工的な干潟を作りました。その結果、完成後に鳥がたくさん集まるようになりました。そして更に人工の藻場を作りました。もう一つ生息地の例では、シーウォールで生息地を守るものが東京湾で実施されています。シーウォールにはカニが表面についているのがおわかりになると思います。この例はイカを育てるための堤防で、これは北海道で作られたものです。以上が私のプレゼンテーションです。ありがとうございました。







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