日本財団 図書館


受託事業
 
 船の科学館では、平成14年度における日本財団から受託事業として「国指定重要文化財千山丸調査」及び「博物館における海事文化財保存状況及び調査記録方法の研究」について受託契約を締結し、調査・研究活動に着手しました。
 
国指定重要文化財干山丸調査
 
 和船には、一般的に設計図が無いと言われています。大まかな内容を記した「板図」や「絵馬」などは残っていますが、船造りの実際は船大工の間で受け継がれてきました。しかし、人から人への技術の伝承は現代では難しい状況にあります。そこで、全国に唯一残る和船で平成8年に重要文化財に指定された徳島藩御召鯨船“干山丸”を題材として、歴史の刻んだ造船技術を保存するために、船体の構造の調査や接合方法について調査を行っています。
 
〜調査項目〜
(1)船体構造の調査及び図面化
(側面図、平面図、腰当断面図、真艫図、正面図)
(2)接合方法の調査
(釘の使用法、板材の接合要領)
(3)櫓の調査
(4)金具、塗装、絵図の撮影(写真撮影)
〜研究担当者〜
日本財団 和船文化・技術研究会
委員長: 安達 裕之
委員: 松木 哲、小堀 信幸
 
 
 
博物館による海事文化財保存状況及び調査記録方法の研究
 
 日本の木造船技術の保存・管理と次世代への文化的な遺産の継承のため、各地の博物館・郷土資料館等での木造船保存のための取り組みについて調査し、記録方法のマニュアル化を行っています。
 
〜調査項目〜
 建造・利用に関する調査記録(写真・図面・文字)の充実をはかるため次の項目内容を整理してマニュアル化を行っています。
(1)「復元建造時における記録方法の統一化」
・映像記録の項目整理 ・部材の数値化の方法 ・図面の保存
(2)「復元・保存する船の歴史背景、漁労習俗等の調査」
・地元の産業とのかかわり ・地元漁業における位置付け
〜研究担当者〜
日本財団 和船文化・技術研究会
委員: 昆 政明、石原義剛、小堀 信幸







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