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1.2 中間軸
 中間軸は船舶機関規則などにより、主要寸法が決定されると共に合格した規格材を使用しなければならない。一般に中間軸は、鍛鋼製で3・2図に示すような両端は軸と一体に鍛造された軸継手フランジを有している。また艤装上の作業性などを考慮して、軸継手を3・3図3・6図に示すような組立型継手とすることがある。3・3図は軸継手が軸に焼嵌めされる焼嵌め方式のもの、3・4図および3・5図は、軸継手がテーパによって軸に取付けられるものである。軸継手を押込み取付ける方法にナットで押込む方式と油圧押込式のものがある。3・6図に示すようなスリーブの締め付け力によって、軸をつなぐスリーブカップリングもある。
 軸継手は継手ボルトで結合される。継手ボルトは鍛鋼製で一般に広く使用されるのは3・7図に示すような平行リーマボルトである。リーマボルトの径は継手フランジのボルト穴の径に対して、或る所要の締め代をもって機械加工される。
 
3・2図 軸継手一体型
 
3・3図 焼嵌式
 
3・4図 テーパ式
 
3・5図 油圧押込式
3・6図 スリーブカップリング
3・7図 平行リーマボルト
 
 
1.3 中間軸受
 一般に使用される中間軸受は3・8図に示すような自己給油式と3・9図に示すような強制給油式とに大別される。自己給油式は、鋳鉄製または鋳鋼製の上下部本体、ホワイトメタルを内張りした軸受メタル、オイルリングまたはオイルカラーで構成される。軸受下部本体は軸受支持台と油溜りを有し、油溜りの油は軸の回転によってオイルリングまたはオイルカラーでかき上げられ、軸受メタル面を潤滑する。必要に応じて油溜りは海水にて冷却される。
 強制給油式は、鋳鉄製または鋳鋼製の上下部軸受本体、軸受メタル、潤滑油供給管などで構成される。この軸受は極低速回転時、軸受面の油膜形成に有利な無冷却の軸受構造である。軸受面の潤滑および冷却は潤滑油ポンプからの潤滑油によって行うので海水による冷却は不要である。
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3・8図 自己給油式
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3・9図 強制給油式
 
 
1.4 プロペラ軸
 プロペラ軸は中間軸と同様船舶機関規則などにより主要寸法が決定され、また合格した規格材を使用しなければならない。
 一般にプロペラ軸は鍛鋼製で、前端は船内で中間軸と一体に鍛造された軸継手フランジまたは、組立型軸フランジとカップリングボルトで結合される。プロペラ軸の後端は、通常固定ピッチプロペラの場合コーンパートでプロペラを取付ける。
 可変ピッチプロペラの場合、多くは軸と一体に鍛造された一体型継手フランジでプロペラを取付ける。小型の可変ピッチプロペラの場合は、コーンパートで取付けるものである。
 プロペラ軸の構造は、船尾管軸受の潤滑方式によって海水潤滑方式と油潤滑方式に大別される。
 
1)海水潤滑方式
 3・10図に示すような鍛鋼製プロペラ軸の場合は、軸身が海水腐食に対して確実に保護されなければならない。3・10図は海水潤滑方式のプロペラ軸を示す。
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3・10図 海水潤滑方式
 
 プロペラ軸の保護方法としてつぎのものがあり、第1種プロペラ軸と第2種プロペラ軸に分類される。
(1)第1種プロペラ軸
(1)全通青銅スリーブを装備したプロペラ軸
(2)分装青銅スリーブでその間をゴム巻きで保護したプロペラ軸(3・11図
(3)分装青銅スリーブで、その間をFRPで保護したプロペラ軸(3・12図)。但し、JG認定品のみ第1種プロペラ軸と認められるが、その他のものは、第2種プロペラ軸となる。
(4)船舶機関規則の承認した耐食性材料で製造されたプロペラ軸
(2)第2種プロペラ軸
(1)第1種プロペラ軸以外のプロペラ軸
 
 3・11図はゴム巻き保護した場合のスリーブ端部の形状を示す。3・12 図はFRPで保護した場合のスリーブ端部の形状を示す。
 なお、プロペラ軸の検査については第5章船舶安全法を参照のこと。
 
3・11図 ゴム巻保護
 
3・12図 FRP保護
 
(3)プロペラ軸の船首側組立型軸継手構造
 プロペラ軸を船尾方向から船尾管に挿入する場合、プロペラ軸の船首側は組立軸継手を採用することになるが、この場合3・13図に示すような構造では船尾管軸装置からの海水の漏水によって軸身に海水がかかり腐食したり、クロスマークが発生したりして、プロペラ軸が折損することがある。この対策として3・14図に示すようなプロペラ軸スリーブを組立型軸継手まで延長し、軸身を完全に保護する構造とする。
 
3・13図
 
3・14図
 
(4)プロペラ軸のプロペラ取付部の構造
 3・15図に示すようなプロペラ軸にプロペラを取付ける構造では、プロペラの船首側のゴムパッキン(Oリング)がプロペラの押込量に影響を受けるのでOリングによる密封性が不安定である。このためプロペラ軸の軸身にクロスマークが発生することがある。この対策として3・16図に示すようなゴムパッキンをパッキングランドで押込む構造とする。
 プロペラ軸は海水の浸入などによって折損事故が発生することがあるので、プロペラの取付時および取外時の検査には、十分留意しなければならない。
3・15図 プロペラ取付部の構造
 
3・16図 プロペラ取付部の構造
 
2)油潤滑方式
 3・10図に示すような海水潤滑方式のプロペラ軸の構造と異なり、プロペラ軸が鍛鋼製の場合でも油潤滑方式ではプロペラ軸は海水と接触することがないので、プロペラ軸の軸身の保護対策は必要ない。ただし、船尾管の船首側および船尾側には船舶機関規則などで承認された船尾管軸封装置を装備する必要がある。船首側の軸封装置は船尾管内の油が機関室内へ流出するのを防ぐ。また、船尾側の軸封装置は船外からの船尾管内への海水の浸入および船尾管内の油の船外への流出を防ぐものである。
 この場合のプロペラ軸は第1種プロペラ軸として認められる。3・17図に油潤滑方式のプロペラ軸を示す。
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3・17図 油潤滑式







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