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5.4 軸継手および軸継手リーマボルト
(1)軸継手ボルトの軸継手連結面における径は、次の算式により算定した値以上であること。
db: ボルトの径(mm)
do: 1)(1)の算式により算定した中間軸の径(mm)。この場合において、K1については、1.0として差し支えない。
n: ボルトの数
D: ピッチ円の径(mm)
T0: 中間軸の材料の規格最小引張強さ(kgf/mm2)
Tb: ボルトの材料の規格最小引張強さ(kgf/mm2)。ただし、規格最小引張強さが100kgf/mm2を超える場合は、100kgf/mm2とする。
 
(2)軸継手のピッチ円上の厚さは、対応する軸の所要径の0.2倍以上の値であり、かつ、対応する軸材料の引張強さと同じ値を有するとして算定した継手ボルトの所要径以上の値であること。ただし、プロペラ取付用継手部のピッチ円上の厚さは、中間軸の所要径((1)の算式において、K1を1.0およびT0を40kgf/mm2として算定した値として差し支えない)の0.27倍以上の値であること。
(3)(1)および(2)の規定にかかわらず、管海官庁が差し支えないと認めた場合については、中空補正を行わない中間軸の径を用いて差し支えない。
(4)軸継手の根元には、軸の径の0.08倍以上の半径の丸味がつけられていること。この場合において、座ぐりは、丸味にかかってこないこと。
(5)軸継手が組立形のものである場合、当該軸継手は、軸のトルク伝達に対し十分な強度を有し、かつ、後進力にも耐え得る構造のものであること。この場合において、軸に過度の応力集中が生じないものであること。
 
5.5 船尾管および張出軸受
(1)プロペラの重量を支える船尾管の軸受の後端又は張出し軸受の構造については、次に掲げるところによる。
(イ)海水潤滑を行う軸受
(i)長さは、3)(1)の算式により算定したプロペラ軸の径(中空である軸にあっては、中空補正後の径)の4倍又は実径の3倍のうちいずれか大きい方の値以上であること。
(ii)清浄、かつ、十分な潤滑冷却水が流通できるような適当な措置が講じられていること。
(ロ)ホワイトメタルを用いる油潤滑を行う軸受
(i)長さは、3)(1)の算式により算定したプロペラ軸の径(中空である軸にあっては、中空補正後の径)の2.5倍又は実径の2.0倍のうちいずれか大きい方の値以上であること。
(ii)(i)の規定にかかわらず、軸受内部の油の温度を確認する装置が備え付け与れている場合、軸受の長さについては、3)(1)の算式により算定したプロペラ軸の径の2.0倍又は実径の1.5倍のうちいずれか大きい方の値以上として差し支えない。
(iii)船尾管内には、常時油が満たされていること。
(iv)重力タンクの静圧を利用して給油を行う場合、当該重力タンクは、最高満載喫水線より上の位置に設置され、かつ、低油面警報装置が備え付けられたものであること。ただし、当該重力タンクの静圧が水圧より下回っても差し支えない形式の場合、当該重力タンクは、最高満載喫水線より上の位置に設置されていなくても差し支えない。
(v)船尾管は、アフトピークタンクの中の水に浸漬させるか、又は他の適当な方法により冷却されていること。
(vi)船尾管後端部又は張出し軸受内面上部と軸との間のすき間は、3・10表に掲げる値以下であること。ただし、油潤滑方式等の支面材を使用しない方法による場合にあっては、製造所の設計値として差し支えない。
 
3・10表 支面財のすき間
プロペラ軸の径 支面材のすき間の限度
230mm以下のもの 6mm
230mmを超え305mm以下のもの 8mm
305mmを超えるもの 9.5mm
 
5.6 その他
(1)船舶の推進に関係のある補機であって管海官庁が指示するものおよび発電機に動力を伝達する軸については、1)の規定を準用する。
(2)特殊な軸封装置(グランドパッキン式以外のものをいう)の形式、構造および材料については、管海官庁の了解を得ること。
(3)主として結氷した水域又は浮氷の多い水域を航行する船舶のプロペラ軸の径は、3)の(1)の算式により算定した値の1.05倍以上であること。







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