1.3 非破壊検査法
非破壊検査法で多く使用されているものには次のような方法がある。
1)カラーチェック(浸透探傷試験)
これは、赤色の浸透液を割れ目(きず)に浸透させて、見やすい状態にして見つける方法である。この方法は非常に手軽な方法で、洗浄液(トリクレン)、浸透液、現像液と3本1組にしたエアゾール式のものを購入すればよい。傷の検出能力はマグナフラックスのほうがすぐれているがその設備がない場合または、磁化できない部品、たとえば、耐熱鋼(オーステナイト系)、ステンレス(オーステナイト系)、非鉄金属部品はこの方法で行う。その手順を2・1図に示す。
2・1図 カラーチェック
1. 前処理
浸透液が欠陥内部に、浸透するのを妨げる様な油脂類、塗料、さび、スケール、汚れ等の付着物を十分に取り除く。 洗浄方法は、溶剤等で行い、処理後は、溶剤、洗浄液、水分等を十分乾燥させる。 |
2. 浸透処理
浸透液は原則として、吹き付けにより塗布し、状況により浸漬、はけ塗り等の方法で行う。浸透時間は5〜20分を基準とし、特にヘアクラック等幅の狭い割れ等においては、2倍以上の時間を与える。なお、浸透液が乾燥した場合は浸透効果が弱くなるので再度塗布する事が望ましい。 |
3. 洗浄処理
表面に付着している余剰の浸透液だけを除去し、欠陥中に浸透している液を流出するような過度の洗浄をしてはならない。 |
4. 現像処理
現像液を十分攪拝し、試験面より30cm位の所より容器を上下左右に振りながらスプレーし、試験面の肌の色がかすかに透過して見える程度に均一に塗布する。現像液が乾燥してしばらくすると傷があればその部分に赤い浸透液がにじみ出て来るので容易に傷が発見できる。 |
5. 観察
6. 後処理
カラーチェックを行うと試験品表面の油脂類が除去されるばかりか、吸湿性の強い現像剤が付着しているので、必要に応じ、試験後は表面に付着している現像剤を完全に除去し、防錆処理を施さなければならない。 |
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