5.3 遠隔操縦装置・保護装置の保守・点検
1)遠隔操縦装置に対する規則
(1)船検第177号、船検第325号
非常停止装置の要求
制御回路無電圧警報装備要求
燃料調整軸に過負荷ストッパ追加要求
クラッチ嵌インタロック装備要求
操縦空気圧力低下警報装備要求
警報の個別化、ディマー、続発方式、警報テストの装備要求
操縦場所、機関状態表不設備要求
警報電源のDC化要求
空気弁閉警報装備要求
(2)舶査145号、船舶機関規則
操縦空気源2系統化の要求
LO圧力危急停止装置の装備要求(735kW(1,000PS)以上のCPP又はクラッチ付き機関のみ)
過回転危急停止の装備要求(735kW(1,000PS)以上のCPP又はクラッチ付き機関のみ)
2)就航時の保守・点検内容
(1)毎日1回、ランプテストの押しボタンを押して、表示灯の切れ、ゆるみがないか点検する。
(2)初航、整備・修繕後の航海の時には、振動等で各結線の圧着端子取り付けのビスがゆるんでいないか、1ケ月後に点検する。
(3)自動停止装置や警報系の安全装置が正しく作動するか、半年に1度は点検する。
(4)空気タンクのドレンは、当直毎に1回以上抜く。
(5)空気系統のエアフィルタの掃除を毎月1回行う。フィルタ中身の取り替えは毎年定期的に行う。
(6)リモートコントローラの設定値は、正しくセットされているか、半年に1度は点検する。
(7)制御用減圧空気用の圧力計が正しく指示しているか、設定値はよいか1月1度点検する。
3)電気系統部品の点検及び交換時期
○:点検 ◎:交換 ※:オーバホール |
No. |
点検項目 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5年目 |
1 |
リレー関係: |
表示灯、警報用 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
制御用、 |
○ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
電磁弁用、ガバナモータ |
○ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
2 |
ポテンショメータ関係: |
操縦ダイアル、コネクタ |
○ |
○ |
○ |
○ |
※ |
ガバナ追従箱用 |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
ポータブル操縦用 |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
3 |
増幅器関係: |
制御用 |
− |
− |
○ |
− |
○ |
4 |
指示計関係: |
機関回転計、プロペラ翼角計 |
− |
− |
○ |
− |
○ |
5 |
検出スイッチ関係: |
リミットスイッチ |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
圧力スイッチ、温度スイッチ |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
6 |
ガバナモータ関係: |
モータ |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
カーボンブラシまたはブレーキ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
○ |
7 |
電磁弁関係: |
各電磁弁 |
○ |
○ |
○ |
○ |
◎ |
|
|
4)中間検査、定期検査時の点検内容
(1)リモートコントローラの電源はAC100V、AC24Vの各電圧を測定する。
電圧は定格の±10%以内にかならず保持されていること。
(2)各リミットスイッチ、圧力スイッチ、電磁弁回路、ガバナ追従箱等の本体、電源の絶縁はよいか。(アースしてないか調べる)
また線を外して、テスタ等によりON、OFF時の作動で導通テスト結果がよいかを点検する。
(3)リレーパネル盤、電源パネル盤等、各結線の圧着端子の断線はないか。
また、リレー等の接点部の摩耗や焼損しているものがないか。
特に、リレーのコイル部の色が少し変わっているものは新替えする。
(4)各ポテンショメータ10kΩ、または5kΩのオイルの漏れがないか点検する。
(5)各電磁弁本体取り付けビスがゆるんでいないか。
また、各電磁弁用スプール弁は摩耗していないか、ゴミによる固着はないか点検する。
(6)ガバナ追従箱の軸受、リンクピン、歯車等の取り付けにコジレ、ゆるみ、ガタ等がないか点検、要すれば調整する。
5)使用部品の説明例
(1)リミットスイッチ・マイクロスイッチ 記号:LS
端子を取り外しテスタでチェックする;不具合があれば交換する
C(コモン)とN.Oの場合 |
外部力無し−導通無し |
外部力有り−導通有り |
CとN.Cの場合 |
外部力無し−導通有り |
外部力有り−導通無し |
(2)ベローズ式圧力スイッチ 記号
導通チェック(外部端子を外してから行うこと)
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