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1.6 プロペラ軸および中間軸の芯出し取付け要領(浮芯の場合)
(1)進水前プロペラ軸を船尾管に挿入した状態で、船尾管船首側のすきま(上下左右)を記録する。
(2)進水後48時間以上経過してから着工すること。
(3)プロペラ軸の位置決め
 プロペラ軸カップリング端面からトモ側隔壁端面までの寸法を図面通りにとる。
(4)プロペラ軸が自重で下った状態とし、船尾管船首側の左右すきまを均等に保つ。(通称ベタ置きと言う)
(5)プロペラ軸スリーブ部は船尾管挿入前まではキャンパス巻きなどで保護する。
(6)プロペラ軸を船尾管に挿入に先立ち船尾管内面を掃除する。
(7)船尾管軸受の支面材がリグナムバイタの場合はグリースを十分に塗布する。
(8)船尾管グランドパッキンの締付け
 片締めすることなく正確に締める。
 内径パス等を使用して、パッキングランド、船尾管端面間の寸法を点検しながら平均に締付ける。
(9)調整後の寸法記録
 上下、左右の隙間をスキミゲージで計測して記録する。
 
7・6図
 
(10)中間軸の保持
 中間軸を所定の位置におき両端付近をジャッキローラまたはヤゲン台で保持する。
 中間軸のカップリングはプロペラ軸カップリングとインロがかわる程度離しておく。
 中間軸が短い場合(1m以内)であれば機関と一体物と考えてよい(つけておく)。
(11)中間軸のカップリングの芯出し
(イ)中間軸をジャッキローラで保持した場合
 中間軸のカップリングにダイヤルゲージを取付け、中間軸を廻してプロペラ軸カップリングの外周をみる。
(ロ)中間軸をヤゲン台で保持した場合
 中間軸及びプロペラ軸のカップリングにストレッチまたはスコヤをあてて外周を見る。
 測定個所は90°間隔4ヶ所とする。
 両カップリングの径は加工時の寸法差が多少あるのでその差(スキマ)が均一になるように芯を出す。
(12)中間軸の曲り(面)の調整
 厚さ7mm程度のスキミゲージと標準スキミゲージを併用して両カップリング取付面間のスキマを測定する。(ダイヤルゲージを使用し外周と併行して測定する方法もある)
(13)中間軸の位置決め
 中間軸受を中間軸にそわせ、高さ及び横振れをみて位置を決める。
 高さの調整は中間軸受本体ジャッキボルトで行なう。
(14)中間軸受の位置決め
 中間軸仕上がり面の中央におく。
 中間軸はオモテ側に7mm位移動しているのでこの分を考慮して中央になるように位置を決める。
(15)中間軸受内部への防塵処置を施す。注油蓋などはテープなどを貼る。また軸受の両端面は油のしみたコットンロープなどを巻き付ける。
(16)中間軸の取付け
(イ)取付カップリング面のまくれを取る。(油砥石又は油目鑢(ヤスリ)を使う。)
(ロ)カップリング合せ面に少量の油を塗り、合マークを合わせ、規定リーマボルトをトモ側から差込み、平均にそして充分に締付ける。
(ハ)プロペラ軸とパッキングランドとのスキマ点検をして前の数値と比較する。(前の数値と異なったら修正する。)







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