3.2 シリーズ構成
YACは一定回転機関用のYAC−Mシリーズと回転制御機関用のYAC−Wシリーズとで構成され、各々口径200A〜600A(240PS〜2830PS)まで対応可能で、当社機関専用としている。
3.3 アクティブ排気消音システムの特徴
・排気音の大幅な低減
ヤンマー独自の消音制御方式により、低周波数域騒音はもちろん、人間の聴感上問題となる周波数域の騒音まで低減できます。排気管端より1m位置で、70dB(A)以下を達成できます。
(図−6)
注)アクティブ消音時の排気音レベルは、機関や排気原音によって変化します。
・優れた追従性
コントローラの消音制御方式の最適化により、急激な回転変動にも追従して消音することが可能です。(図−4)
・コントローラ
ヤンマー独白の新制御方式を採用。
・人が静かに感じるように、最適な排気音に形を変えます。
・消音制御に必要な係数をオンラインで自動的に決定するので、安定した消音を行います。
・排気熱からスピーカを保護するため、自動的に冷却ファンを制御します。
(特許出願中)
・高い耐久性
高温の排気ガスに曝されるマイク・スピーカは、ヤンマー独自の方式を採用し、腐食防止等、長時間の耐久性を確保しています。(特許出願中)
・低背圧
従来型のパッシブ消音器では、流れを迷路によって消音するため、背圧が大きくなります。本アクティブ排気消音システムでは、迷路を使わずスピーカーで音を消すため、背圧を70%以上低減しています。
4. 設置例
4.1 陸上発電設備への設置
平成7年6月に工場の常用発電設備(M220AL−EN×650kW)に実験的に設置。主に耐久性の検証をおこなっており、現在約30,000時間(A重油仕様)の運転実績である。
図5に設置状況写真を示す。
4.2 水産庁「照洋丸」への搭載
平成10年5月竣工の「照洋丸」停泊用2号補機関の排気消音器として搭載された。ANC ONでは排気音70dBA/1mを達成。従来消音器に比べ約20dBA低騒音化が図れ、船外では排気音をほとんど認識できないレベルでブリッジでも静かになったと好評をいただいた。
図6に排気音測定結果を示すがANCをONとすることにより低周波側の消音効果が発揮されているのが確認できる。
5. おわりに
アクティブ形排気消音装置は、商品化の緒に就いたところで、今後より一層の普及により港湾周辺や船舶の環境向上に貢献していきたいと考えています。
最後になりましたが、アクティブ形排気消音装置の船舶への搭載に関しまして、神戸海運局殿、水産庁殿、日本鋼管株式会社殿に多大なご指導をいただきました。お礼申しあげます。
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