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(3)特産品市場の動向
ア 首都圏の特産品店・物産館
 東京、大阪、福岡といった大都市圏では、公営・民営の物産館が多数営業しており、全国の物産が販売されている。このうち、東京では、都道府県が設置したいわゆる自治体アンテナショップが多数立地・営業をしており、平成14年現在、19道府県のアンテナショップが有楽町・銀座地区、新宿地区などを中心に営業されている。また、全国商工会が営業しているむらからまちから館のように、全国の物産を販売している店舗も存在している。
 各店舗の人気商品をみると、店舗内で飲食できるソフトクリーム、菓子といった単価の安い軽食類が多く売れている一方で、健康食品など2,000〜3,000円程度の比較的高額な商品も人気商品として高位を占めている。また、空港・駅などの売店で、観光客・移動客には敬遠される瓶モノなどの重量のある商品についてもランクインしている。
 
図表6−31 東京に立地する物産館・自治体アンテナショップ
区分 名称
全国 むらからまちから館
全国伝統的工芸品センター
北海道 北海道どさんこプラザ
青森県 青森県特産品センター
岩手県 いわて銀河プラザ
秋田県 花まるっ秋田ふるさと館
山形県 やまがたプラザ ゆとり都
宮城県 宮城県東京事務所観光物産サービスセンター
福島県 ふくしま会館
岐阜県 ギフベスト六本木店
山梨県 山梨東京物産観光センター
新潟県 表参道・新潟館 ネスパス
富山県 いきいき富山館
京都府 京都館
広島県 広島ゆめてらす
香川県 香川県東京観光物産センター
高知県 高知屋
熊本県 銀座熊本館
宮崎県 新宿みやざき館「KONNE」
鹿児島県 かごしま遊楽館
沖縄県 銀座わしたショップ
 
図表6−32 
首都圏の特産品店物産館の人気商品(2002年7月実績)
むらからまちから館 ギフベスト
1.草もち(菓子、96円) 1.とまとけちゃっぷ(調味料、500円)
2.三っ折納豆(農産加工品、85円) 2.高賀の森水(飲料、120円)
3.くるみ餅(菓子、90円) 3.夜叉ケ池(焼酎、720ml入1700円)
4.シークゥァーサー(飲料、750円) 4.明宝ハム(畜産加工、1000円)
5.あじ干物(水産加工品、160円) 5.椎茸すなっく(菓子、500円)
6.そばドラ(菓子、120円) 6.黒肉桂(菓子、400円)
7.さんま丸干し(水産加工品、95円) 7.赤かぶら漬(漬物、500円)
北海道どさんこプラザ 高知屋
1.花畑牧場ソフトクリーム(300円税込) 1.ごっくん馬路村(飲料、100円)
2.夕張メロンピュアゼリー(菓子、5個入600円) 2.海洋深層水深海の恵み(飲料、150〜1100円)
3.ほっかいどうバタじゃが(1個120円) 3.活性発芽玄米(穀類、500円)
4.函館コアップガラナ(飲料、500ml入140円) 4.ぼうしパン(150円)
5.別海牛乳(飲料、180ml入100円) 5.ごますってポン(ドレッシング、300円)
6.西山生ラーメン(麺類、2食200円) 6.なす(青果、100円〜)
7.豆一番(菓子、198円) 7.生姜(青果、100円〜)
花まるっ秋田ふるさと館 銀座熊本館
1.稲庭うどん(麺類、900g3000円) 1.いきなりだご(菓子、100円)
2.ピリ辛かりんとう(菓子、20枚入300円) 2.グリーンハウスみかん(青果、50円)
3.飛良泉純米酒(酒類、720ml入1460円) 3.からしれんこん(惣菜、800円)
4.梅三昧(農産加工、150g450円) 4.しいたけ(乾物、300円)
5.とんぶりこんぶ<醤油味>(食品、350円) 5.アベックラーメン<とんこつ>(麺類、160円)
6.いぶりがっこ(漬物、L450円) 6.御飯の友(食品、200円)
7.甘えびのつくだ煮(水産加工、90g360円) 7.すりごま・白(食品、280円)
やまがたプラザゆとり都 銀座わしたショップ
1.ラスクフランス<プレーン味>(菓子、380円) 1.黒糖もろみ酢(健康飲料、2000円)
2.バターどらやき(菓子、100円) 2.無糖もろみ酢(健康飲料、2000円)
3.最上納豆ゴールドA(農産加工、90円) 3.沖縄そば(ゆで麺、200g130円)
4.ラスクフランス(菓子、400円) 4.ゴーヤ(青果、1本200円〜)
5.ラ・フランスアイス(氷菓、150円〉 5.ジーマーミ豆腐(食品、250円)
6.飲むヨーグルト(飲料、150円) 6.クエン酢玄酢(健康食品、2500円)
7.だだちゃ豆アイス(氷菓、200円) 7.まさびろもろみ酢(健康飲料、1800円)
 
 宮崎県の物産館については、東京都新宿駅南口前にて、宮崎県物産振興センターが経営する「新宿みやざき館KONNE」)がある。現在、店舗の1〜2階のフロアーにおいて、宮崎産物産800〜1,100品を展示・販売(例:宮崎産焼酎の場合、県内300銘柄のうち145銘柄を取り扱い)している。
 宮崎県物産振興センターへのヒアリング調査によると、同店では、加工食品を中心に食品の売れ行きが良く、購入者の一人当たり消費額は約900円となっている。売り上げが高い商品としては、(1)ソフトクリーム、(2)地鶏加工食品(炭火焼)、(3)焼酎、(4)冷汁などがある。冷汁については、館内軽食コーナーで販売。健康食品としてテレビ番組で紹介後、固定客が定着している。椎茸については、首都圏では大分産ブランドが定着し、宮崎産ブランドの定着がいま一つの状況となっており、また、館内で扱っている高級椎茸は諸塚産のもので、近年ブランド化を進め、固定客が確保している。漬物については、宮崎で好まれる味覚と首都圏との味覚が異なり、販売に苦戦している。椎葉産の取り扱い産品は8品。小豆、花豆、もちキビ、とろろかりんとう、しいたけキムチ、煮豆などとなっている。
 
図表6−33 KONNEの人気商品(2002年7月期)
順位 商品名 販売数量 単価
1 冷や汁の素 75 4,394 150円
2 ソフトクリーム(甘乳蘇) 2,528 300円
3 冷や汁 単品 1,784 500円
4 紫芋ソフトクリーム 1,235 250円
5 ひむか地鶏炭火焼 705 380円
資料:新宿みやざき館 KONNE
 
図表6−34 「新宿みやざき館 KONNE」の概要(ホームページより
(拡大画面:218KB)
 
 首都圏の消費者については、生産者に対して批判的な視点をもっており、消費者ニーズヘの対応上の課題としては、宮崎産産品の課題は、(1)価格政策のまずさ(売れるものを作るのではなく、作れるものを売っている)、(2)生産体制が小規模・不安定(ロットがそろわない)などがある。







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