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第2章 地場資源の状況
1 分野別にみた地場資源
 九州中央山地の最も奥深いところに位置し、3つの河川の源流地帯である本村では、スギやヒノキの巨木や落葉広葉樹の原生林、渓流など、都市近郊にはない豊かで美しい自然を体験することができる。
 このような山の、豊かで時には厳しい環境の中で代々暮らしてきた人々は、自然と共生しながら、狩猟や焼畑を中心とした独特の生活を営み、神楽などの四季折々の行事や郷土料理、山に張り付くような住居など、独自の生活文化や伝統芸能を継承してきた。
 那須大八郎と鶴富姫にまつわる平家伝説もこのような環境の中で語り継がれ、その象徴である鶴富屋敷(伝統的家屋、国指定重要文化財)も大切に受け継がれてきている。
 このような自然や生活・伝統文化を体験する場として、博物館やキャンプ場、木工芸やそば打ちの体験施設が整備されている。また、椎葉の特産品を集めた物産センターや、そばを中心メニューとした食堂も整備されている。
 
 以上のような村内の主な地場資源について、「自然系資源」、「歴史系資源」、「観光系資源」の3つに分類し、その分布について次頁以降に整理した。また、生活・伝統文化や祭りなどについては「歳時記」として整理した。
 
(1)自然系資源
 天然記念物でもあるスギやヒノキの巨木、扇山のシャクナゲ群、落葉広葉樹の原生林など、山地ならではの珍しい光景をみることができる。国見岳や霧立越は登山コースとしても人気があり、森の中では鹿などの野生動物に遭遇することもある。山中を流れる河川は、村の至るところで渓谷を形成しており、ヤマメやイワナなどの渓流釣りが盛んである。
 山並み、山にはりつく集落、小さな田圃、湖の夕日など、素朴ながらも自然で美しい山の風景をみることができる。
 
図表2−1 自然系資源の分布状況
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