閉会の挨拶
東京財団会長 日下 公人氏
主催者を代表して、後援者、パネリスト、参加者の皆さまに厚くお礼申し上げます。
私は、島国の人の考えと大陸の人との考えは全く違うと考えています。考え方が通じる島国同士で世界を考えてみようと、今回のシンポジウムを開きました。
日本の歴史において、「国の海」にかかわる大きな出来事がありました。元寇です。今回のシンポジウムの開催地である福岡で起こったことです。明治時代、永井建子氏が作詞作曲した歌に「元寇」があります。元寇で戦った鎌倉武士の勇ましさを歌い込んだものです。
戦争という恐ろしい歴史があって、国を守るために日本人が戦ったからこそ今があるということを、少しでも考えていただけるきっかけになったらと思います。
元寇
作詞・作曲 永井建子
四百余州(しひゃくよしゅう)をこぞる 十万余騎(よき)の敵
国難(こくなん)ここに見る 弘安(こうあん)四年夏の頃
なんぞ恐れ(おそれ)んわれに 鎌倉男児(だんじ)あり
正義武断(ぶだん)の名 一喝(いっかつ)して世に示す(しめす)
多多良浜辺(たたらはまべ)の戎夷(えみし) そはなに蒙古勢(もうこぜい)
傲慢無礼者(ごうまんぶれいもの) ともに天をいただかず
いでや進みて忠義に鍛え(きたえ)し我がかいな
ここぞ国のため 日本刀(にほんとう)を試し(ためし)見ん
こころ筑紫(つくし)の海に 波おし分けて(わけて)ゆく
ますら猛夫(たけお)の身 仇(あだ)を討(う)ちかえらずば
死して護国(ごこく)の鬼と誓(ちか)いし箱崎(はこざき)の
神ぞ知ろし召す(しろしめす) 大和魂(やまとだましい)いさぎよし
天は怒り(いかり)て海は 逆巻く大波(さかまくおおなみ)に
国に仇(あだ)をなす 十余(よ)万の蒙古勢は
底の藻屑(もくず)と消えて 残るはただ三人(みたり)
いつしか雲はれて 玄界灘(げんかいなだ)月きよし
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