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あとがき
 平成13年度に航行機器および自動化機器の中から「電源パネル」、「発電機の自動同期投入装置」、「液晶表示器」および「船燈の閃光灯」の4機種について国際規格IEC60945に準拠した環境試験を行った結果「電源パネル」と「液晶表示器」が規格に合致出来ないことが判明した。
 本平成14年度はこれら2つの機種に対策をして規格に合致させる作業を行った。「電源パネル」は振動試験の左右方向加振時に振動数49Hzでメータリレーが共振を起こし接点出力がon―offの誤動作を生じたことに対して取り付け金具を強固なものにし、制振材を使用することにより誤動作を抑制することが出来た。「液晶表示器」は湿度試験において表示器が変色する異常があったが防湿対策を行なうことにより変色を防止することが出来た。
 これらの機器はメーカー規格を満足しているがより厳しい舶用機器の国際規格に合致されないことによる。今後、陸上電気機器を舶用に転用する場合には無条件で転用することが出来ないことを示唆している。また、なんらかの対策を講ずることにより海上機器に転用できることが判明した。
 然し、対策は個々の機器により行い、費用や工数が必要となるが、陸上に比べて海上機器のマーケット規模が小さいのでメーカー側で対策を採った機器を出荷してもらうことにはメーカー側の賛同を得なければならない問題がある。
 本調査検討委員会は限られた機種による評価検討ではあったが、今後ますます厳しくなる国際環境規制に舶用機器を適用させる問題への対応を考えるうえで有意義な貢献となった。
 終わりにあたり、ご指導賜った国土交通省、報告書の作成を担当した林部会長はじめ委員と事務局の方々にお礼申し上げます。
 
委員長 鈴木 務







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