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8.3.4.2 制振材を使用した取付け金具による共振振動特性
 制振材使用の取り付け金具に2種類の制振材を使用してそれぞれ共振振動特性を計測した。
 図24は制振材1を使用した時のメーターリレーと取付け金具、図25は制振材2を使用した時のメーターリレーと取付け金具の共振振動特性を比較したものである。
 いずれの制振材を使用した場合でも共振振動特性は大幅に改善された。
 また制振材を使用することによって共振点で加速度が半減しており、制振材の効果が見られた。
 しかし、制振材1の場合は左右方向において15Hz付近でメーターリレーが大きく振れた結果となった(低周波であるため加速度は小さいが振幅は大)。これは制振材1が非常に柔らかい構造であるため、横方向に対しては振動を増幅する結果となったものと考えられる。従ってメーターリレーの制振材として不適切と考えられる。
 制振材2の場合は特に際立った共振点は見られなかった。前後方向加振時に振動数40Hz〜100Hzまで加速度が2Gを超えていたが、メーターリレーのメーター針及び置き針は共振することはなかった。
 以上の結果から制振材2を使用してメーターリレーを取付けることが振動に対して有効と考えられる。
 
8.3.4.3 耐久試験
 制振材2を使用して耐久試験を行った。平成13年度に行った耐久試験では左右方向において振動数49Hzで加振時にメーターリレーが破損した。
 試験は左右方向において49Hz及び前後方向では2Gを超えた共振振動数86Hzで行った(NK規格では2Gを超えた共振点で耐久試験を行う)。
 いずれの振動数においてもメーター針及び置き針に異常な振動は見られず、その他、各部の電圧も異常がなかった。試験結果を図26、図27に示す。
 
8.3.4.4 振動試験のまとめ
 振動試験の結果、メーターリレーが破損したため、その誤作動対策としてメーターリレー取付け金具を強固なものにし、さらに制振材を使用した。その結果メーターリレーを破損することなく又、メーター針の振動を押さえることが出来た。
 メーターリレーは構造上、振動に対して弱いものである。そのため振動によって破損することが考えられるが、破損しなくてもメーター針及び置き針に異常な振動が起り、そのことにより置き針で設定した設定電圧範囲を超えて接点出力がON-OFFする誤作動が起きる可能性が高い。従って実際に施工する場合は出来るだけ振動が伝わらないようにすることが重要である。
 今回の対策のように制振材を使用してメーターリレーを取付けることは有効な方法であると考えられるが使用する制振材によっては振動を増大させることもあるため、メーターリレーに最適な制振材を選定する必要がある。
 
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前後方向加振
 
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左右方向加振
 
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 上下方向加振
 
図24 制振材1を使用した場合の共振振動特性
 
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前後方向加振
 
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左右方向加振
 
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 上下方向加振
 
図25 制振材2を使用した場合の共振振動特性
 
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図26 電源パネルの振動耐久試験 (左右方向加振 49Hz)
 
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図27 電源パネルの振動耐久試験 (前後方向加振 86Hz)
 







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