平成11年より、故障や老朽化のため使用されなくなった車椅子を県内から集め、自分たちの技術を生かして修理を行って再生し、修学旅行の際に韓国の福祉施設へ持参し、贈呈している。この「空飛ぶ車椅子」活動により、福祉、国際交流、環境問題に貢献している。

（推薦者　（社）三恵会）

　

VYS (Voluntary Youth Social Worker) Club of Ehime Prefectural Niihama Technical High School Niihama City, Ehime Prefecture

　

Since 1999, the members of this club have collected broken and unused wheelchairs to repair them using their own technique. The reconditioned wheelchairs are donated to the welfare facilities in Korea, when they go on a school trip to Korea. Through this "Soratobu Kurumaisu Katsudo" (Flying Wheelchair activity), the club directly contributes to social Welfare, international communication, and the environment.

Recommended by Social Welfare Foundation Sankeikai.

　

　愛媛県立新居浜工業高校では、VYS同好会のメンバーが中心になって「空飛ぶ車椅子」活動を行っている。この活動は故障や老朽化のために使われなくなった車椅子を修理して、不足している国に贈るというもので、工業高校を中心に数校が取り組んでいる。新居浜工業高校は、以前から交流のあった新居浜市内の総合福祉施設「やすらぎの郷」でその活動を知り、それがきっかけとなり平成11年から活動を始めた。

　使われていない車椅子の提供は「やすらぎの郷」が窓口となって県内各地の福祉施設等に呼びかけ、集められている。集められた車椅子の修理は、まず分解、そしてパーツの洗浄とさび落とし、タイヤの修理・交換など地味な作業だが、使う人の事を考えて、徹底的に磨き、慎重に組み立てを行い、組みあがったら実際に生徒たち自身が使用してチェックをして完成させる。

　このようにして修理した車椅子は、韓国への修学旅行の際に生徒たちの手によって運ばれている。平成12年6月、30台の車椅子は、修学旅行生徒の手荷物として空を飛び、韓国に贈られた。車椅子は韓国福祉財団を通じて、韓国内の15か所の福祉施設に届けられて、利用者に喜ばれている。また13年8月には、VYSメンバー5名と教師1名が、車椅子の修理のため、道具箱や部品をたずさえて韓国に渡った。重度障害児施設の「聖保再活院」（大邱市）と「ハンサランマオル」（広州郡）で、タイヤのパンク修理、さび落としなどの作業が休む間もなく続けられ、2日間で22台の車椅子が修理された。炎天下の中で汗を流しながら黙々と修理作業をする生徒達の姿は、韓国の新聞紙上でも大きなスペースを割いて、好意的に取り上げられた。

　高校生たちはこのボランティア活動から、自分の学んだ技術を生かしモノを再生させる喜びを見いだす一方で、国際貢献、環境問題にも貢献している。

　

　

　

　

受賞の言葉

　受賞の報告を受け感激しております。また受賞式に参加して式典の盛大さに驚き、全国の異世代の人との交流に喜び、賞の重みを多くの方々の協力の賜と感じているところです。

　「空飛ぶ車椅子」活動を始めて3年足らず、地味で小さな活動の中に言葉では言えない喜びを見出しています。この喜びを少しでも広げたい気持ちです。また学校及び韓国での修理活動を通して国際交流や福祉の問題、環境問題にも積極的に取り組んでいきたいと思います。