故.酒井 俊明(さかい としあき)(享年47)
神奈川県逗子市
平成14年5月7日、東京都大田区京浜島の火災で東京消防庁第二消防方面本部消防司令長だった酒井さんは消火活動を行っていた。危険な状況になったため部下隊員に退避命令を指示したが、自らは全身に強烈な熱気を浴び、殉職された。
推薦者(財)全国消防協会
The Late Mr.Toshiaki Sakai
(Died at the age of 47)
Zushi City, Kanagawa Prefecture
On May7, 2002, Mr. Sakai, a fireman, was dispatched with his men to combat a fire in Keihinjima, Ota-ku, Tokyo. Confronted with extremely dangerous conditions, he ordered his men to with draw but succumbed to the heat of the fire himself. He died athis post.
Recommended by Firefighters Association of Japan.
消防司令長だった酒井俊明さんは、平成14年5月7日16時頃、大田区京浜島三丁目7番1号財団法人東京都環境整備公社京浜島不燃ごみ処理センターで発生した火災に、東京消防庁第二消防方面本部消防救助機動部隊特科隊長として出動した。
火災のあった建物は、耐火造4階建て延べ約4万m2で、廃棄物処理施設特有のごみ処理用設備が設置されていた。酒井さんはポンプ車に隊員2名と共に現場に到着した時には、工場内の従業員の避難情報や逃げ遅れ情報が把握できていない状況だった。一刻も早い人命検索と消火活動のため、酒井さんは隊員1名と共に1階から進入し、4階へ進んだ。
1階ではまだ煙が立ち込めていなかったが、4階に上がって3階ごみ処理用付帯施設のベルトコンベアーの上部を見ると、炭を起こしたように真っ赤に燃えていた。放水準備を整えていると、突然、ベルトコンベアーの火煙が消えたように見えた。次の瞬間に、大量の黒煙と痛みを伴う強烈な熱気に包まれ、酒井さんたちの周囲は真っ暗になった。
部下隊員の安全を考慮し、姿勢を低く保つよう指示したが、煙は更に濃さを増し、猛烈な熱気が押し寄せてきた。一刻の猶予も許さない状況であると判断した酒井さんは「ホースを捨てて退避しろ」と強く指示し、自らも緊急脱出の行動を起こした。
部下隊員は軽い火傷を負ったものの、無事脱出したが、酒井さんは部下隊員に指示した直後に更に全身を強烈な熱気に襲われ、3階北側にある階段脇付近で力尽き、殉職された。
(拡大画面:163KB) |
|
|