b)個別路線のグループ化
個別路線について、前項で示した5指標並びに需要量、競合性を勘案した上で分析を行い、ネットワーク効果としてまとまりのあると思われる路線を以下の通りに試行的に分類し、グループ化したものである。
表 7−3−1 グループAの路線
路線名 |
区間 |
《分類指標》 |
(1)既設路線の混雑緩和 |
(2)広域交通アクセス機能強化 |
(3)鉄道利用不便地域への対応 |
(4)都市再生支援 |
(5)広域ネットワーク機能向上 |
地下鉄烏丸線延伸 |
竹田〜京阪本線交差付近 |
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○ |
○ |
○ |
○ |
なにわ筋線 |
新大阪〜JR難波、汐見橋 |
○ |
○ |
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○ |
○ |
地下鉄8号線延伸 |
今里〜湯里六丁目 |
○ |
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○ |
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中之島新線(北港テクノポート線)延伸 |
新桜島〜玉江橋 |
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○ |
○ |
○ |
ポートアイランド線延伸 |
三宮〜新神戸 |
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○ |
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○ |
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※グループの特性
当該路線は、人口集中地区(DID)に位置するとともに都市内の骨格的な路線であり、広域的なネットワーク形成に資する路線(地下鉄烏丸線延伸、なにわ筋線、中之島新線(北港テクノポート線)延伸)となっている。 一方、基本的な政策目標(運輸政策審議会答申第19号)である「既設路線の混雑緩和」に資する路線(なにわ筋線、地下鉄8号線延伸)、「空港と新幹線駅へのアクセス性向上」に資する路線(地下鉄烏丸線延伸、ポートアイランド線延伸)であり、政策目標に対して直接的に関与する路線で構成される。
また、都市再生支援に関連する路線(地下鉄烏丸線延伸、なにわ筋線、中之島新線(北港テクノポート線)延伸、ポートアイランド線延伸)でもある。
さらに、人口集中地区(DID)における鉄道利用不便地域に位置する路線(地下鉄烏丸線延伸、地下鉄8号線延伸)となっている。
表 7−3−2 グループBの路線
路線名 |
区間 |
《分類指標》 |
(1)既設路線の混雑緩和 |
(2)広域交通アクセス機能強化 |
(3)鉄道利用不便地域への対応 |
(4)都市再生支援 |
(5)広域ネットワーク機能向上 |
地下鉄東西線延伸 |
天神川〜洛西 |
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○ |
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片奈連絡線 |
京田辺〜長池 |
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○ |
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○ |
北大阪急行線延伸 |
千里中央〜新箕面 |
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○ |
○ |
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地下鉄7号線延伸 |
大正〜鶴町 |
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○ |
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敷津長吉線 |
住之江公園〜喜連瓜破 |
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○ |
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地下鉄3号線延伸 |
西梅田〜十三 |
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○ |
○ |
〃 |
住之江公園〜堺 |
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○ |
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堺市東西鉄軌道 |
堺第2区〜堺市 |
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○ |
○ |
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大阪モノレール延伸 |
門真市〜久宝寺 |
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○ |
○ |
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大阪国際空港広域レールアクセス |
JR伊丹〜大阪国際空港 |
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○ |
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○ |
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※グループの特性
当該路線は、ネットワーク機能向上に資する(片奈連絡線、地下鉄3号線延伸)とともに、近年増加傾向にある環状方向の需要に対応する路線(大阪モノレール延伸、敷津長吉線)、沿線の開発事業支援に関連する路線により構成されている。
また、開発事業支援や空港アクセス機能向上等特定地域における課題対応型の路線(地下鉄東西線延伸、北大阪急行線延伸〜地下鉄7号線延伸、地下鉄3号線延伸、堺市東西鉄軌道、大阪国際空港広域レールアクセス)となっている。総じて基本政策目標(運輸政策審議会答申第19号)に対しては間接的に関与する路線となっている。
表 7−3−3 グループCの路線
路線名 |
区間 |
《分類指標》 |
(1)既設路線の混雑緩和 |
(2)広域交通アクセス機能強化 |
(3)鉄道利用不便地域への対応 |
(4)都市再生支援 |
(5)広域ネットワーク機能向上 |
京阪奈新線延伸 |
登美ケ丘〜新祝園 |
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○ |
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○ |
北港テクノポート線延伸 |
新桜島〜梅田 |
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○ |
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淀川北岸線 |
大正区・港区・此花区方面→東淀川区方面 |
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○ |
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地下鉄5号線延伸 |
南巽〜弥刀 |
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○ |
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大阪モノレール延伸 |
久宝寺→堺方面 |
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○ |
○ |
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地下鉄2号線延伸 |
大日→高槻方面 |
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|
○ |
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|
〃 |
八尾南→富田林方面 |
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|
○ |
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地下鉄7号線延伸 |
門真南→交野方面 |
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|
○ |
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西明石・西神線 |
西明石〜西神中央 |
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○ |
○ |
|
|
〃 |
西神中央→押部谷方面 |
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|
○ |
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舞子・学園都市線 |
舞子〜学園都市 |
|
|
○ |
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地下鉄西神・山手線延伸 |
西神中央→東播磨方面 |
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○ |
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京阪奈新線延伸 |
登美ケ丘〜高の原 |
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○ |
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※グループの特性
当該路線は、全体的に人口集中地区(DID)に隣接する鉄道利用不便地域への対応を目的とする路線(西明石・西神線、舞子・学園都市線等)や既設路線の延伸線(京阪奈新線延伸、地下鉄2号線延伸等)により構成されている。
さらに、グループA及びBとの競合性の強い路線(北港テクノポート線延伸、淀川北岸線、大阪モノレール延伸)である。
表 7−3−4 グループDの路線
路線名 |
区間 |
《分類指標》 |
(1)既設路線の混雑緩和 |
(2)広域交通アクセス機能強化 |
(3)鉄道利用不便地域への対応 |
(4)都市再生支援 |
(5)広域ネットワーク機能向上 |
びわこ京阪奈線 |
米原→関西文化学術研究都市方面 新線区間(信楽→関西文化学術研究都市方面) |
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○ |
京阪奈新線延伸 |
高の原→木津方面 |
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○ |
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地下鉄東西線延伸 |
洛西〜長岡 |
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○ |
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松屋町筋線 |
天王寺→東淀川区方面 |
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○ |
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公園都市線延伸 |
ウッディタウン〜カルチャータウン |
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○ |
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神戸新都心地区鉄道構想 |
神戸市中央区〜灘区臨海部 |
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○ |
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※グループの特性
当該路線は、既存路線(公園都市線延伸)及び計画路線(地下鉄東西線延伸、京阪奈新線延伸)の延伸による鉄道利用不便地域への対応を目的とするものであり、また、既存路線等との競合性の強い路線(松屋町筋線)、相対的に需要量の少ない路線により構成されている。
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図 7−3−5 |
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鉄道新規整備による主要ターミナルからの30分到達圏の広がり(黒:現況、赤:A〜D整備) |
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