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(4)生成交通量の予測
 以上より、生成交通量のベースとなる原単位の予測ベースならびにカテゴリは、以下のように設定する。
 
表 6−4−5 目的別生成原単位の予測ベースとなる人口指標・カテゴリ
  ベースとなる
人口指標
年齢 免許 就業有無 将来原単位の設定
通勤 就業人口 × 5歳階級(15歳以上) × (就業のみ) H12時点の原単位で一定推移
通学・登校 就学人口 × 15歳未満15〜24歳25歳以上 × × H12時点の原単位で一定推移
自由 常住人口 男女 5歳階級 有無 就業非就業 H12時点の原単位で一定推移
業務 就業人口 男女 5歳階級(15歳以上) 有無 (就業のみ) H2〜H12年の平均値で一定推移
帰宅については、それぞれの交通の裏返しと考えられるので、発生集中交通量の予測の段階で設定することとする。
 
 本予測で、個人属性別のカテゴライズを行ったメリット・デメリットは以下の通り。
△メリット
■ 将来の免許保有の動向、高齢者や女性の社会進出、余暇の増大、ITの進展など、変化する社会情勢を踏まえ、生成原単位の変更を行うことで柔軟な需要予測が可能。
■ 年齢構成が将来大きく変化し、一層の少子高齢化が予想されるが、こうした年齢構成の変化にも対応可能
▼デメリット
■ カテゴライズを細かくするほど、生成原単位もそれだけの精度を要求される。例えば、将来の免許保有率の設定など。将来予測不可能な要因をカテゴライズすると、予測結果が不安定なものになってしまう。
■ 説明変数相互間(性×年齢×免許保有)の相関に要注意。
■ 必ずしも有意でないカテゴリを無理にカテゴライズすると、モデルの安定性を失う。本予測では、統計的手法(分散分析)により、有意な変数のみをカテゴライズした。
 
○生成交通量のまとめ(参考)
 近畿2府4県の2020年の人口指標をもとに、2府4県全体の生成交通量をまとめると以下のようになる。
 
(拡大画面:101KB)
 
 
■ 近畿2府4県の人口は、2005〜6年をピークに減少を始め、それとともに就業人口も減少する。
■ 年齢ごとの就業率を直近のまま一定としているため、将来高齢者が増加することで、総合計としての就業人口は常住人口の減少以上に減る。
■ 就学人口は引き続き少子化の流れを受けて20年で大きく減少する。
■ 従って、生成交通量についても、2020年では自由目的がほぼ横ばいの他は、通勤・通学登校・業務目的で大きく減少する。







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