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事業の実施状況 II. [記念公演]
11月7日(木) 記念公演第一部 15:00〜16:15
  記念公演第二部 16:30〜18:00
  司会  吉川精一(フリーアナウンサー)
 
梅村利奈(NHKアナウンサー)
 
 記念公演第一部は、地元富山県砺波市の越中八幡太鼓(えっちゅうはちまんたいこ)による勇壮な太鼓の響きとともに緞帳が上がり、オープニングとなった。今回のテーマは「海が運ぶ、まつりの響演」。伝統芸能を富山の地から再発信すべくフェスティバルの開幕となった。オープニング演奏に続いては、庄川の流れをイメージしたという数名の打ち手によるリズミカルな太鼓の演奏が行われ、開演の雰囲気を盛り上げた。続いては、昨年度の地域伝統芸能大賞受賞者4組による演技に移った。最初は熊本県山鹿市からの山鹿灯籠踊り(やまがとうろうおどり)。客席から頭に灯籠をのせた10余名の女性の踊り手が入場し、舞台上で“よへほ節”に合わせて灯籠とともにゆったりと舞う美しさに早くも観客の多くが見惚れていた。次は地元の富山県城端町からの越中城端むぎや(えっちゅうじょうはなむぎや)。五箇山地方に伝わる、三味線、胡弓、鉦、太鼓などによる“むぎや節”の唄と演奏に合わせ、勇壮な袴姿、そしてリズミカルに舞う男女の菅笠とたすき掛けが印象的だった。3番目は獅子頭の制作で大賞を受賞された五十嵐藤二氏の古里、山形県飯豊町からの小白川神社あばれ獅子舞(こじらかわじんじゃあばれししまい)。この獅子舞は胴幕に30〜50名の人が入る百足獅子と呼ばれるもので、暴れ舞う獅子を神社に誘い込むというストーリーの力強い演技は見ごたえのあるものだった。受賞者最後の演技は、12歳くらいまでの男の子が歌舞伎を演じるという、滋賀県長浜市の曳山祭子供歌舞伎(ひきやままつりこどもかぶき)。実際は曳山(山車)の上で演じられるが、小さな子供による開演口上から始まり、大人顔負けの女形の登場やミエをきるしぐさに会場からは思わず微笑みと大きな拍手が湧いていた。
 記念公演第2部は、風の盆で知られた富山県八尾町の越中おわら(えっちゅうおわら)の演技で始まった。哀調をおびた音色に合わせて編笠姿で男女が優雅に舞う姿には、洗練された美しさが感じられ、会場は静まり返ってじっと見入っていた。次は一転して、大きな首里城の絵を背景に赤、黄などの色鮮やかな衣裳を纏った踊り手が登場して、沖縄県那覇市の琉球舞踊及び沖縄の芸能(りゅうきゅうぶようおよびおきなわのげいのう)の始まり。宮廷での踊りであったという優雅な古典舞踊の舞の他、武道を取り入れた勇壮な沖縄の伝統的な舞いも舞台いっぱいに披露された。続いては、韓国江原道から出演いただいた韓国民俗芸能(かんこくみんぞくげいのう)。韓国の代表的な芸能で打楽器の演奏である“サムルノリ”が披露され、休むことなく精力的に鉦、太鼓を打ち続ける演奏には大きな拍手が送られていた。次は、富山県福岡町の雅楽(ががく)の登場。色鮮やかな舞台と演者の衣裳、そして厳かな演奏と舞いの演技は、普段余り目にすることがないだけに多くの観客が見惚れていた。1日目最後の演目は、島根県益田市の石見神楽(いわみかぐら)。今も中国地方で盛んに行われている出雲神楽の系統をひく神楽で、舞台には8頭の大蛇が登場し、舞台をいっぱいに使って大蛇がいろいろな形で絡み合う演技の巧みさには感心させられ、その都度大きな拍手が湧いていた。演技終了後、出演者全員が舞台に登場し、再度、観客席からの大きな拍手を受けて1日目の記念公演を終了した。
 
記念公演第一部(11月7日)
 
越中八幡太鼓(富山県砺波市)
山鹿灯籠踊り(熊本県山鹿市)
越中城端むぎや(富山県城端町)
小白川神社あばれ獅子舞(山形県飯豊町)
曳山祭子供歌舞伎(滋賀県長浜市)
第一部フィナーレ
 
記念公演第二部(11月7日)
 
越中おわら(富山県八尾町)
琉球舞踊及び沖縄の芸能(沖縄県那覇市)
韓国民俗芸能(韓国江陵市)
雅楽(富山県福岡町)
石見神楽(島根県益田市)
司会者







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