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2)植物プランクトン
 表II.3.10-3及び図II.3.10-3には、小型装置の植物プランクトン色素クロロフィルaに対する基本効果を示した。
 植物プランクトンの光合成色素の一つであるクロロフィルaの変化は、サイズ区分によって異なり、20μm以上では減少し、反対に20μm未満では増加した。この結果は、処理によって20μm以上の植物プランクトンの細胞が粉砕され、小さくなったものが20μm未満で捕集されたことを表している。つまり、本装置は、植物プランクトンを機械的に粉砕(殺滅)する効果を有し、特に、大きい植物プランクトンほど大きな効果を発揮するものと推測される。なお、全体量として大きな変化が見られないのは、植物プランクトンの細胞が機械的に粉砕されて小さくなっても、クロロフィルa自体は容易に消失しないためである。
 
表II.3.10-3 小型装置の植物プランクトン色素クロロフィルaに対する基本効果
スリット部流速:29.98〜30.48m/s 圧損:446.3〜448.5kPa
単位:μg/L
 
  パイプ処理前 1pass処理直後 2pass処理直後 1pass減少率(%) 2pass減少率(%)
第1回実験 ≧100μm 0.3 <0.1 <0.1 100.00 100.00
50〜100μm <0.1 <0.1 <0.1    
20〜50μm 0.2 0.1 0.1 50.00 50.00
<20μm 1.0 1.2 1.6 -20.00 -60.00
第2回実験 ≧100μm <0.1 <0.1      
50〜100μm <0.1 <0.1      
20〜50μm 1.4 1.0   28.57  
<20μm 4.2 3.9   7.14  
第3回実験 ≧100μm <0.1 <0.1      
50〜100μm <0.1 <0.1      
20〜50μm 0.8 0.6   25.00  
<20μm 2.0 2.4   -20.00  
第4回実験 ≧100μm <0.1 <0.1      
50〜100μm <0.1 <0.1      
20〜50μm <0.1 <0.1      
<20μm 1.5 1.7   -13.33  
第5回実験 ≧100μm <0.1 <0.1      
50〜100μm <0.1 <0.1      
20〜50μm <0.1 <0.1      
<20μm 2.8 3.0   -7.14  
平均 ≧100μm    
50〜100μm    
20〜50μm 34.52  
<20μm -10.67  
注)空白: 分析せずあるいは算出対象外
<0.1:検出限界以下、損傷率算出時は0として計算
 
スリット部流速:29.98〜30.48m/sec、圧損:446.3〜448.kPa
図II.3.10-3 小型装置の植物プランクトン色素クロロフィルaに対する基本効果







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