（3）LPG船の船籍/船齢構成

（1）航海数から見た構成

　マ・シ海峡を航行したLPG船のすべての航海数（3,715航海）について、船籍国と船齢の内訳を航海数の多い順に表　2.2−12に示し、船齢と航海数の関係を図　2.2−10に示す。船籍国は第二船籍国を含め全部で27カ国であった。

　船籍別で見ると、代表的便宜置籍国のパナマが1位で全航海数の43.3％を占めており、リベリアが2位で12.1％となっている。

　ゾーン別で航海数の割合の大きい東南アジアゾーン（2.1.1（1）参照）の諸国については、シンガポール8.7％、マレーシア8.3％、フィリピン2.5％などとなっており、これら3カ国を船籍とする航海数は合計1,047航海であり、全体の28.2％を占めている。その他の国としては、ノルウェーが7.1％、日本が3.6％となっている。

　LPG船について船籍と親会社国籍を表 2.2−13に示す。親会社国籍を把握できるものについて見ると、日本38.6％、オランダ8.2％、ギリシャ4.5％、韓国3.2％となっており、海運国または揚げ荷主国と考えられる国の割合が大きくなっている。

　船齢で見ると、船齢20年未満の船舶の航海数は3,038航海（10年未満1,974航海）であり、全航海数の81.8％（10年未満53.1％）を占めている。船齢20年以上の船舶の航海数は677航海（30年以上81航海）であり、全航海数の18.2％（30年以上2.2％）である。

　平均船齢で見ると全体で10.9年であり、ケミカルタンカーより船齢が若くなっている。船籍別ではシンガポール8.2年、マレーシア12.6年、フィリピン4.6年、ノルウェー17.4年、日本8.6年などとなっている。特にノルウェー籍船の船齢が高くなっている。

　

　

　

　

（2）船舶数から見た構成

　マ・シ海峡を航行したLPG船のすべての船舶数（280隻）について、船籍国と船齢の内訳を船舶数の多い順に表　2.2−14に示し、船齢と船舶数の関係を図　2.2−11に示す。船籍国は第二船籍国を含め全部で27カ国であった。

　船籍別で見ると、代表的便宜置籍国のパナマが第1位で39.3％、リベリアが第3位で13.2％であり、その他マン島5.0％、バハマ2.9％などとなっている。

　ゾーン別で航海数の割合の大きい東南アジアゾーンの諸国については、シンガポール4.6％、マレーシア2.1及びフィリピン1.1％などとなっており、これら3カ国を船籍とする船舶数は合計22隻で全体の7.9％である。その他の国としては、ノルウェー13.6％、日本3.9％となっている。

　船齢で見ると、船齢20年未満の船舶の船舶数は198隻（10年未満117隻）であり、全船舶数の70.7％（10年未満41.8％）を占めている。船齢20年以上の船舶の船舶数は82隻（30年以上12隻）であり、全船舶数の29.3％（30年以上4.3％）である。

　平均船齢で見ると全体で12.9年であり、航海数で見た場合同様、ケミカルタンカーより船齢が若くなっている。船籍別ではシンガポール9.3年、マレーシア14.3年、フィリピン4.7年、ノルウェー19.0年、日本8.5年などとなっている。航海数で見た場合同様、ノルウェー籍船の船齢が高くなっている。