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◆「北朝鮮の核は人畜無害」
 核開発疑惑をめぐる二年前の私の発言は、いまだに尾を引いているようである。私の発言というのは、簡単にいえば「北朝鮮は核開発はしているが保有には至っておらず、人畜無害だ」(『サンサーラ』誌九四年六月号)というもので、国連安保理決議によろうとよるまいと北朝鮮制裁を行うことに反対する論陣を張ったのだ。この際、改めて論拠を明かそう。
(1)「保有には至っていない」というのは、その時点における(現時点においてはなおさら)国際原子力機関(IAEA)に集められた情報に基づく内部資料による推定である。IAEAは情報源については対米依存度が高いが、それでもロシア、中国からも情報が寄せられており、査察官自身の独自の分析もある。たいていの読者はご存じないだろうが、北朝鮮がIAEAに加盟して以来過去二十年間、同国内の研究炉と臨界集合体に対し、IAEAは定期査察を行ってきている。査察官は同国の原子力の研究開発のレベルを知り抜いている。
 
 
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