毎日新聞朝刊 1997年11月15日
与党訪朝団の会見要旨−−14日、平壌
与党訪朝団の森喜朗団長が記者会見で発表した文書の要旨は以下の通り。
一、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)在住の日本人妻の里帰りは労働党より人道的見地から継続して行うと表明され、歓迎した。
一、与党3党訪朝団は会談で、寺越武志さんが早期に訪日できるように伝えた。
一、与党3党訪問団は国交正常化交渉再開に向けた環境醸成を考える上で、重要問題として日本人拉致(らち)疑惑を取り上げ、早期解決に向けた建設的対応を求めた。
一、労働党は、この問題を取り上げるのは環境醸成にはそぐわないが、日本側の立場を考慮して一般の行方不明者として調査を行う旨を述べた。
一、こうした事実を踏まえ、双方は国交正常化交渉の早期再開について両国政府間で既に意見の一致がみられることを歓迎し、支援することで一致した。
一、朝鮮半島の平和と安定に関しては、労働党より南北対話については韓国の当局者の立場を注視していくとの表明があった。与党3党訪朝団からは、朝鮮半島の平和と安定に関心を有しており、緊張緩和のために4者会談の実現を重視していくと述べた。
一、与党3党訪朝団としては食糧支援について、国際機関より新たなアピールが出される場合には前向きに対応をするよう政府に働き掛けていきたいと考えている。
一、労働党が日本を訪問するように要請した。【平壌・共同】
□写真説明 帰国を前に会見する森喜朗団長(右から2人目)ら与党訪朝団メンバー=平壌で14日正午、岩下幸一郎写す
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