第2分科会
虐待防止と保護者とのかかわり
司会者 |
高田テルミ(貝塚市・貝塚南保育園長) |
提案者 |
今中 江美(東大阪市・白鳩保育園長) |
助言者 |
才村 純(日本子ども家庭総合研究所ソーシャルワーク研究担当部長) |
提案要旨
虐待防止と保護者とのかかわり
今中 江美(東大阪市・白鳩保育園長)
*はじめに 挨拶と自己紹介
*事例
3歳児で入園の女児: |
身体が小さく、運動機能が未発達でよくこける。給食をはじめすべての活動に意欲がなく、他児との差がでる。必然的に保育者との1対1の関係が多くなる。
4歳児になり、よくけがをしてくることに保育者が気付く。顔や頭の傷が多く、母親にたずねると、自転車から落ちたり家の家具にぶつけたと言う。
月日がたつうちに、母親から園でよくけがをしてくるという、申し出があったが、園内ではあまり動く方ではないので、けがをするような行動が見られず、その頃より不信が始まった。 |
対策: |
まず、園内でけがをしていないことをきっぱり母親に報告出来るよう子どもから目を離さないようにする。登降園時には、けが、きずがないかを母親の目前にて確認する。けがをしてきた時には、本人に特別なことと思わせないようにしながら、写真にとり記録をつけていく。母親との普段の会話等も記録する。 |
結果: |
5歳児の秋頃、背骨に異常がでて、入院することになり、卒園間際まで欠席する。
その後、小学校に入学し、しばらくは本人も活動的に学校の活動に参加していたようであるが、夏頃に大腿骨の骨折で再び入院。
骨折の原因が不可解であるということで、調査が入り一時保護の措置がとられることになる。
園にも子ども家庭センターより問い合わせが入り、母子分離のための裁判に必要な情報を提供することになる。→記録、写真が役に立つ |
*その他
(身体的虐待)
親が子どもを送迎時に大声で怒鳴ったり、たたいたりする。
(心理的虐待)
乱暴な言動の子ども
落ち着きのない子ども
(ネグレクト)
忘れ物の多い子や服装や身体が清潔でない子
虫歯が異常に多い子
しつけがされず、社会の枠を知らない子
*事例から学んだこと
○親を孤立させないよう、常にコミュニケーションをはかる。→親の状態を把握する。
○けがについては、水掛け論を防ぐため必ず記録をとり、毎日の状態を親と確認を取り合い、親に認識させる。→親に不信を抱かせず、自然な対応をする。
○子どもの行動や様子をよく見る。
○まさか・・と思う時には、すぐに園長や主任に相談をする。
○親の状況がすぐ子どもに反映される。→子どもの気になる様子を親に話した翌日にキズ
休日明けにキズ
親の調子が悪い時期にキズ
*基本的な対応
:今まで
有能な園長や主任等園の中で解決してきた傾向がある。→もっと社会資源を利用する。
関連機関との連携:市町村の担当課、福祉事務所、児童相談所、保健所、子ども家庭センター
園内外の情報をネット等で調べる。
:ニーズの多様化、複雑化→保育士がしんどくなる
:今後
防止と共にしていきたいこと
すぐに切れない人間を育成する→アメリカのシステム「セカンドステップ」
育児不安をもつ親に対するサポート→子育て支援活動(虐待の早期発見)