保育所、幼稚園における子育て支援
保育ジャーナル vol.5
淑徳大学社会学部教授
柏女霊峰
近年、保育所や幼稚園に対して、家庭や地域における子育て支援のためのサービスを積極的に展開していくことが求められてきています。国においても、新エンゼルプランや幼児教育振興プログラムの策定・推進が図られています。保育所、幼稚園における子育て支援サービスにはどのようなものがあり、また、どのような機能が求められているのでしょうか。ここでは、以下の類型に整理してその必要性を考えたいと思います。
1 特別な配慮を必要とする子どもと保護者に対する支援
まず、障害のある子ども、登園拒否、かん黙などの心理・行動上の問題を有する子ども、被虐待が疑われる子どもたちならびにその親たちに対する支援が挙げられます。子どもの育ちや子育てが社会状況の変容のなかで大きく変化し、このような問題にじっくりと向き合い、ともに歩む機能はますます重要になってきています。
2 預かり型の支援サービス
幼稚園における預かり保育や保育所における一時保育などがあります。一時保育には非定型的保育や緊急保育、私的理由による一時保育や体験保育などがありますが、とくに、私的理由による一時保育、いわゆるリフレッシュのための保育については、子育ての負担感やストレス解消のためのサービスとして、その意義を十分に確認しておきたいものです。
3 居場所提供型の支援サービス
体験保育、育児グループの運営やその育成活動などが挙げられます。これらの活動は、孤立した育児に戸惑う親子に居場所を提供し、親たちの相互援助を活性化し、いわば子育ての仲間づくりの活動として大きな意義をもつものといえます。
4 行動型の支援サービス
保育所・幼稚園の場所を利用して、子どもの健やかな育成および子育て家庭の支援を図るものといえます。高齢者との交流や異年齢交流などの世代間交流活動、保護者などへの育児・家庭教育講座、郷土文化伝承活動などが代表的です。
5 相談・助言型の支援サービス
保育所・幼稚園における相談・助言は、専門的な臨床相談機関や行政機関のそれとは異なり、日常保育のさまざまな機会をとらえて行われます。育児講座や子育てサークルなどの活動を通じて実施されることも多くなっています。日常場面における相談、電話による相談、面接による相談など、その形態もさまざまです。
保育所・幼稚園は、保護者の委託による子育て・保育活動を日々実践するとともに、今後は、地域に最も密着した専門機関として、地域の子育て文化・幼児教育発信の基地としての役割を担っていくことが求められています。自園の特徴と地域の子育てニーズとを勘案しながら、また、通園している子どもたちの安全確保との整合性を図りつつ、無理のない範囲でこうした活動に取り組んでいきたいものです。
「保育の友」2001年9月号 全社協
分科会の進行について
分科会の時間配分は次のとおりです。
バズグループの役割者
11:30 |
役割者の打ち合わせ |
12:30 |
司会者による役割者の紹介及びすすめ方についての説明 |
12:40 |
提案者による提案(20〜30分)助言者によるコメント |
13:10 |
提案者(又は助言者)からの討議テーマの提示。司会者によるグループ分け(6〜8人程度のバズグループを編成する) |
13:20 |
バズセッション開始 |
14:30 |
休憩(13:30まで) |
14:50 |
各バズグループからの発表 |
15:30 |
助言者によるコメント質疑応答 |
16:00 |
アンケートの記入及びネームプレートとともに回収
司会者による閉会(各分科会毎に流れ解散) |
バズセッションについて
〈バズセッションとは〉
参加者各自がグループの共通の目的を意識し、互いの発言を通じ相互に影響し合い、目的達成をしていく過程を指している。
多くの場合バズセッションというやり方をとるが、バズセッションとは何かというと、バズとは虫の羽の音をいい、音を出すことで即ち声を出して話をするということ。セッションとは会合のことをいう。
〈バズセッションのすすめ方〉
メンバー全員が参画する方式で、7〜10人位を1グループとし、参加者の人員に応じてグループの数が増減する。
円卓形式で行い、メンバーはおおいに活発に発言する。意見も出さずに終始控目で教えを乞いに来たといった態度は捨てる。
1.全員が討議に参画すること。
2.討議の中で相互作用があること。討議の中で人と人とのふれあいが行われることが大切である。
3.討議には目的意識をもって臨み、目的に向かって討議の進行がなされるようリーダーを互いに選び、進行を効果的に行う。
4.リーダーは単に司会というのではなく自らも発言し、討議の進行を把握し、発言をしない人には発言の誘導をはかるようにする。
5.討議の経路は、次のように行われる。
問題を提示する
↓
問題点をあげる
↓
問題の分析を行う(原因追求)
↓
解決案をいろいろな角度から出す
↓
各案の比較検討を行う
↓
相互の意見を調整する
↓
グループの結論をまとめる
6.討議の雰囲気は、なんでも言える空気であることが重要である。この雰囲気によってメンバーは自分の発言を通じ「グループに貢献している」とする意識が高められる。
7.リーダーとメンバーの関係は形式化されたものではない。グループの状況によって、リーダーのコントロールには幅をもって望むことである。
これらを通じて
(1)何が現実に起こっているかを判断し
(2)それに関連または含まれる諸問題を見分け
(3)可能な一連の処置を見出していく