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祝辞(2)
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財団法人 埼玉県剣道連盟
会長 大久保和政
 
 本日第28回埼玉県少年剣道錬成大会が、全日本剣道道場連盟の主催により伝統ある戸田市スポーツセンターで多数の参加チームを迎えこのように盛大に実施されますこと誠にお目出度うございます。埼玉県剣道連盟としても衷心よりお欣こびと御祝いを申上ます。私が今更申すまでもなく剣道は日本古来より独特の武道文化として今や全世界に普及しつつあります。日本人だけが誇り得る伝統文化であり、今剣道を志す少年剣士諸君是非大きな誇りと自信を持って下さい。
 最近は時々幼少年の剣道が試合にのみ走りその本質である武道の良さを忘れつつあるという声を耳にしますが、誠に寒心に堪えません。
 剣道は飽くまで剣の理法の修練による人間形成が目的であります。勝負を競うのは飽くまでも手段であり、その中から人間を形成するのが目的。スポーツは勝つことによって記録をつくるのが目的であり、そこに武道とスポーツの大きな違いがあることは知らねばなりません。それが為には皆さんが先ず剣道の修練により身心を鍛えることが先決であります。そうして今の年齢が最も大事な時です。健全なる精神は健全なる肉体に宿ると言われています。肉体はその精神、心の入れものです。その鍛えは即ち精神の鍛えとなります。勉強も大事ですよ、しかし頭だけの勉強では小手先の底の浅いものに終ってしまう、肉体こそが至上のもの肉体こそが鍛えの効くもの剣道は痛い、寒い、苦しいがそこを稽古によってきり抜けてこそ心身は素晴らしく強くなるものです。勝って感謝、負けて反省をし、相手を思いやる優しさの中にも何ものにも負けない挫けない勇気と決断力を剣道によって養って下さい。正しく、強くそして明るい人としての道を修練されん事を祈ります。
 終りに本大会の開催に御尽力頂きました埼玉県剣道道場連盟の皆様各位に衷心より感謝を申上げ、本大会の成功と御発展を御祈念申上げます。








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