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兵庫県剣道道場連盟
理事長 一岡正紀
 
深緑が目に染みるこの頃、ここに第16回「兵庫県少年剣道錬成大会」が盛大に開催されますことを、誠に喜ばしく感激に耐えません。本日参加している剣士諸君は、連日お父さんお母さんの協力と、先生のご指導をへて、懸命に努力をしてきたと思います。いま君達に一番必要なことは、少しだけ我慢をして一つのことに懸命に努力することではないでしょうか。言うまでもありませんが、剣道は日本古来の武道であります。剣道を通じて礼儀、友愛、責任など人間形成の育成を図り、信義を重んじて心豊かな明日の社会を創ることにあるのです。剣道は、現在スポーツであるサッカーや野球等のように、入会すればその日からみんなと一緒になって、ボールを蹴ったり、投げあいをして楽しく遊ぶということがありません。それは剣道の修行の目的が、人間形成と言う将来の目的にあるからなのです。剣道は、痛く、きつく、苦しいと言われます。私は常に自分自身に、「骨から汗をかけ」と言い聞かせています。痛いから、きついから、苦しいから、人のことが分かり、人間形成につながると思うのです。人間はだれもが心の弱い動物であると思うのであります。その、心の弱いところを少しだけ、我慢すればまた違った道が開け、勇気も沸いてきて楽しみも出てくると思うのです。どうか本日の大会も、せっかく苦しい稽古に耐えてきたのですから君達が少しでも満足のいく試合ができるよう、苦しさを少し我慢して耐えて戦ってください。そうすればたとえ負けてもきっと自分自身に満足のいく戦いができ、「よし明日からもう少し頑張ろうか」という勇気が沸いてきます。しっかり頑張って良い思い出を作ってください、健闘をお祈りします。最後になりましたが、この大会に向けてご尽力いただきました関係各位、並びに少年少女剣士をご指導くださった指導者諸氏に心から敬意を表わします。








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