ご挨拶
(財)全日本剣道道場連盟
元文部大臣
会長 松永光
第26回熊本県少年剣道錬成大会が、益城町において関係各位のご協力のもと盛大に催されますことは、主催者として誠に喜びに堪えません。
本大会は昭和六十一年度(15年前)から各都道府県剣道道場連盟の協力を得て、県下組織の活性化、少年剣道の普及促進を目的に各県単位で開催されてきたものです。又、毎日新聞社が大会の特別後援ということで新聞紙面等でご支援を頂き本当に有難く深く感謝しております。
明治維新より百数拾年が経ち、剣道の技術や精神も時代と共に変遷しております。しかしながら、剣道道場主は真の剣道とは何か、本来の武道とは何か、を常に自問自答しながら日本の伝統文化剣道を伝授して行くことは極めて大切なことであると思います。また、全日本剣道連盟も剣道試合・審判規則改正や、社会体育指導者認定制度の充実等で、剣道を正しく広く伝えていく努力をしておられますが、剣道界の各団体と一致協力して剣道の普及伝承を図っていかなければならないと思います。
剣道道場の隆盛には、親しみやすさ、厳しさ、爽やかさ、そして幼年から熟年まで精神と技術の交流が必要であると思います。道場の雰囲気造りと指導者の資質向上並びに連盟本部としての普及環境整備が強く要望されるところであります。
本日は、国の宝である夢多き少年少女剣士がさわやかな竹刀の音をこの会場一杯に響かせ、武道精神の根源である旺盛な気力、克己心並びに忍耐力を持って立派な試合を行い、互いの研鑽錬磨に努めて頂くようお願いします。
二十一世紀は教育の時代、そして環境の時代と言われており、知育、体育、徳育をさらに充実して、心身共に健康で豊かな心を備えた少年を育成することこそ日本の繁栄と世界の平和につながるものと思います。そうした人間を育成することに最も適しているのが剣道であることは間違いないところであり、多くの識者が認めているところであります。
本日の大会が皆様のご支援のもと、剣道を通じて立派な少年少女育成という大事な目的を達成する機会となり、そして日頃より剣道を指導しておられる各道場の一層のご発展をお祈りして、私の挨拶といたします。