「剣道を通して」
高知県高知市
大津少年剣道教室
小学六年生
立仙真奈
私が剣道を始めたのは小学一年生の時、姉や兄がやっていた影響もありました。
今年で六年目。小さい頃の事はよく覚えていませんが三年生の時、父の仕事の関係で引っ越し、新しい道場へ通い始めて何ヵ月かたった頃、私は休部してしまったことがあります。剣道がいやという事ではなかったのですが、新しい環境に慣れず、前の学校や道場に戻りたいという気持ちが強く、何もかもがいやになっていたのです。
やっと新しい環境にも慣れた頃、学校のクラスの担任の先生との出会いによって私の心の中には明るい光がさし込んできました。とても心のやさしいよい先生だったからです。その先生からは友達の大切さ、最後までやりぬく事の大切さを教えてもらいました。そしてまた、道場へも通い始めました。(頑張る。という気持ちと休みたいという気持ちがけんかしながら。)
五年になり、県下各地から集まって行う合宿に母にすすめられいやいや参加しました。二泊三日でとてもしんどい合宿でしたが、学校や家庭や道場では経験することのできない多くの事を学び、そしてたくさんの友達もできました。その後、その時の友達と試合で会うとますます仲良く声をかけあえるようになり、勝つと「良かったね。」負けると「また頑張ろう。」などとお互いに、励ましあえるようになりました。そして前の道場の先生や友達の「真奈頑張れよ。」と言ってくれる言葉も私のことをいつまでもどこへ行っても応援してくれてるんだと素直に嬉しく聞こえてきました。
六年になり、少しずつ結果として出てき始め、勝っても負けても剣道の楽しさが分かってきたような気がします。負けても当たり前、というような気持ちが強かったチームが、徐々にチームワークがとれ始め、次につなげていける試合ができるようになってきました。そして私の気持ちも前向きに頑張れるようになりました。
夏は息が苦しくなるほど暑く冬は凍えそうなほど寒い中の練習。手や足にはまめができます。けっして楽ではありませんが、私にはこの六年間たくさんの出会いがあり、たくさんの思い出ができました。今の道場では、六年生は私一人で心細い事もありますが、試合では家族、そして同じ大津少年剣道教室のみんなが、力いっぱいの応援をしてくれます。私も精一杯応援します。みんながライバルでありそして全員が剣道で結ばれた仲間です。
今は姉や兄とも剣道の話題で盛り上がることもよくあります。
私は今、剣道を続けてきて本当に良かったと思います。剣道を通して礼儀、友達との和、強い精神力、厳しさ、がまん強さ、やさしさ等たくさんの事を学びそして何よりも、出会いによって友達という大切な宝物がたくさんできたからです。
最近、青少年の非行や犯罪のニュースをよく耳にします。家庭環境、社会の影響など、いろいろな問題があると思いますが、心が痛む事件が当り前のようにくり返されている現実をとても残念に思います。人間は誰かに支えられなければ生きていけません。私もたくさんの人の支えによって頑張ってこれました。剣道を通して技の戦いも学びましたが、心の戦いも学んだような気がします。
心と体が健康でいられるよう、「継続は力なり」の精神を忘れずこれからも頑張っていきたいと思います。そして人の支えとなれる「人」になりたいです。