4) 「ケアする人のケア」のためのプログラムに関する訪問調査
2001年度は、調査としてはさまざまな医療施設や福祉施設に対して「ケアする人のケア」の取り組みが行われているかどうかについて、訪問調査を実施した。
現在明らかになってきたことは、日本においては、ケアする人を対象とした確立したプログラムは、まだまだ極めて少ないということである。
しかし、一方で、プログラムとして行われているものは少なくても、日常的な習慣のなかで何気なくとり入れている方法が多くあることに気づいた。
例えば、花見やクリスマスなどの季節の行事やお祭りを皆で楽しんだり、季節の変化を取り入れた食の在り方や、季節の花々による空間の演出など、日常的な習慣や何気なく取り入れている文化の中で、ケアする人もケアされる人もお互いがより豊かになっていくきっかけが多くあることがわかってきた。
こうした取り組みの効果は、なかなか数値化されにくく、また、目に見える変化が次々と起こるわけではない。しかし、こうした日常の文化を新たな視点で見なおすことこそが、ケアをめぐる環境を変えていくためには大切になっていくと考えている。