I 生徒コース
1.実施経過と結果について
(1) 実施概要
[1]募集対象及び期間
重点募集地域: |
京都府、滋賀県、島根県、鳥取県、兵庫県 |
募集期間: |
平成13年5月22日(火)〜6月22日(金) |
[2]実施期間
第1回: 平成13年7月23日(月)〜7月25日(水)
第2回: 平成13年7月25日(水)〜7月27日(金)
[3]参加者
第1回: 23名(男14、女9)
第2回: 24名(男15、女9)
(2) 事前準備
[1]協力依頼
募集に先立ち、今回重点地域とした上記5府県の教育委員会(または教育庁)を訪問し、主旨説明と後援名義ならびに協力の依頼を行った。その際、応募者を獲得するための効果的な方法について意見を求めたところ、すべての担当者から、募集要項を対象地区の全学校の学校長宛に送付するのと同時に、各校の全クラスに掲示するためのポスターを配付することが効果的であるとの指示を得た。
[2]募集要項の送付
教育委員会で得た情報をもとに、上記重点地域の全ての高校、高専(456校、含私立)に対し、各学年の全クラスに掲示してもらうためのポスターを用意し、学校長宛に送付した。また、同地区の学校に勤務し、以前実施したマリンサイエンス・スクール等に自らが参加し、もしくは生徒を推薦してくれた教諭に対しては、別途、募集要項を送付し、生徒への参加を促すよう依頼した。また、海洋科学技術センター(以下センターと略す)のホームページにも募集の情報や、前年度参加者の感想文を掲載した。
[3]応募状況とその後の対応
応募受け付け期間は、募集要項送付後約1ヶ月としたが、締切り日までの応募者数が定員割れとなったため、再度、教育委員会等に依頼して応募者の確保に努めたが、それ以上の人員確保は困難であった。そこで、新たに関東近郊にも募集範囲を拡大すると共に、以前実施したマリンサイエンス・スクール等に参加した、または生徒を推薦してくれたことのある教諭に対し、生徒への参加を促すようさらに依頼した。
(3) 実施状況と成果
最終的な応募者数は、第1回目23名、第2回目24名であったため、応募者全員を受入れて実施することとなったが、鳥取、島根の両県からは1名の応募者も得ることができなかった。また、第1回目の参加者のうちの1名は、開催当日のオリエンテーション終了直後より体調不調を訴え、その後のスケジュールに参加することができなかったため、第1回目は、実質22名で実施した。
今回、このように応募者が少なかった理由、特に鳥取、島根の両県からの応募者がまったくいなかった最大の理由は、「交通費が全額自己負担」ということであったためと思われる。本件に関しては、協力依頼をするために同県の教育委員会を訪問した際に担当者からも懸念が持たれた問題でもあった。
講義・実習内容については、昨年以上に実技・実習をより多く組み入れることに努めた。また、開催期日の設定に当たって、センターが所有する5隻の船舶のいずれかを活用したかノキュラムを策定することを条件としたため、開催期間中、整備のために陸揚げされていた「しんかい6500」とセンター岸壁に係留していた支援母船「よこすか」を活用するかノキュラムを作成することができた。
宿泊については、センターの海洋研修棟を活用したが、遠方からの参加者については、希望により前日からの宿泊を受け付けた。また、3日目の昼食は支援母船「よこすか」の船内食堂を利用した。
参加者からは、「海洋科学技術に対して興味や視野が広がった」「同じ分野に興味を持つ仲間との出会いがあった」などの声が聞かれ、このスクールが、多くの情報を得ると共に新たな発見の場となったことがうかがえる。また、研究者やスタッフに進路や将来についての相談をする生徒も見られ、参加者の海への憧れや夢を広げる機会となったと確信する。
(4) 講義・実習内容
1)深海を探る−1
[1]深海の生物
有人潜水船や無人探査機でとらえた未知の深海生物の映像の紹介、センターで飼育中の深海生物の見学。
[2]ROV実習
センター前の岸壁において、海中ロボット(ROV)を用いた操作実習と生物観察を実施。
[3] 深海6500mの世界
有人潜水船「しんかい6500」のパイロットによる体験談。
2)水中の世界
[1]深海潜水300mへの挑戦
水深300mの海底に挑んだダイバー達の水中生活の様子についての体験談。
[2]潜水と人間
本講義後に行われる圧力体験実験や体験潜水時の注意事項のほか、潜水によって生じる身体の変化について解説。
[3]圧力体験実験
深海潜水で使用する高圧タンクを用いて水深30m相当の圧力体験を実施。加圧された空気の密度の影響や、授業で扱われている「ボイルの法則」によって起こる現象を体験。
[4]体験潜水
センターが所有する大型室内プール(水深1.5mと3.Om)において、スクーバ潜水を体験。(希望者のみ参加)
3)深海を探る−2
深海調査機器
センター岸壁に接岸中の支援母船「よこすか」と有人潜水船「しんかい6500」等の見学。
4)海の利用
海洋深層水
最近話題の海洋深層水の特性や利用価値等について解説。また、実際の海洋深層水を用いて、表層水との化学物質等についての簡単な比較実験を実施。
5)海を調べる
深海の堆積物の調査を通し、過去の地球環境を知るための研究について解説。また、数千メートルの深海から採取した堆積物の顕微鏡観察を行う。
(5) スケジュール
(第1回)
日時 |
内容 |
講師 |
7月23日(月) |
10:30〜11:50 |
開校式、オリエンテーション |
普及・広報課 大嶋真司 |
13:00〜13:50 |
海洋研究の概要 |
普及・広報課 大嶋真司 |
14:00〜15:50 |
深海の生物 |
海洋生態・環境研究部 藤原義弘 |
16:00〜16:50 |
ROV実習 |
普及・広報課 廣高綱/他 |
7月24日(火) |
9:00〜9:50 |
深海6500mの世界 |
研究業務部 赤澤克文 |
10:00〜10:50 |
深海潜水300mへの挑戦 |
研究業務部 長根浩義 |
11:00〜11:50 |
潜水と人間 |
普及・広報課 竹内久美 |
13:00〜14:50 |
圧力体験実験 |
普及・広報課 坂本信義/他 |
15:00〜16:50 |
体験潜水 |
普及・広報課 三谷日出文/他 |
17:30〜 |
懇親会 |
  |
7月25日(水) |
9:00〜10:20 |
深海調査機器見学 |
研究業務部 赤澤克文 |
10:30〜11:50 |
海洋深層水 |
海洋生態・環境研究部 三森智裕 |
13:00〜14:20 |
地球環境と海洋 |
海洋観測研究部 原田尚美 |
14:30〜 |
まとめ・修了式 |
  |
(第2回)
日時 |
内容 |
講師 |
7月25日(水) |
10:30〜11:50 |
開校式、オリエンテーション |
普及・広報課 大嶋真司 |
13:00〜13:50 |
海洋研究の概要 |
普及・広報課 大嶋真司 |
14:00〜15:50 |
深海の生物 |
海洋生態・環境研究部 土田真二 |
16:00〜16:50 |
ROV実習 |
普及・広報課 廣高綱/他 |
7月26日(木) |
9:00〜9:50 |
深海6500mの世界 |
研究業務部 赤澤克文 |
10:00〜10:50 |
深海潜水300mへの挑戦 |
研究業務部 長根浩義 |
11:00〜11:50 |
潜水と人間 |
普及・広報課 竹内久美 |
13:00〜14:50 |
圧力体験実験 |
普及・広報課 坂本信義/他 |
15:00〜16:50 |
体験潜水 |
普及・広報課 三谷日出文/他 |
17:30〜 |
懇親会 |
  |
7月27日(金) |
9:00〜10:20 |
深海調査機器見学 |
研究業務部 赤澤克文 |
10:30〜11:50 |
海洋深層水 |
海洋生態・環境研究部 三森智裕 |
13:00〜14:20 |
地球環境と海洋 |
海洋観測研究部 原田尚美 |
14:30〜 |
まとめ・修了式 |
  |
(6) 参加者名簿(五十音順)
(第1回)
氏名 |
学校名 |
学年 |
石井修平 |
日本大学第三高等学校(東京都) |
2 |
岩本みなみ |
神奈川県立小田原高等学校 |
1 |
魚谷直毅 |
兵庫県立兵庫工業高等学校 |
3 |
遠藤裕 |
日本大学第三高等学校(東京都) |
3 |
大西智子 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
大畠康之 |
日本大学第三高等学校(東京都) |
3 |
緒方健人 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
岡本裕香 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
片山公孝 |
神奈川県立小田原高等学校 |
3 |
北田三佳 |
兵庫県立山崎高等学校 |
3 |
北原千絵 |
神奈川県立鎌倉高等学校 |
1 |
小林育絵 |
雲雀丘学園高等学校(兵庫県) |
3 |
佐井宏聡 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
滝沢裕幸 |
東京都立館高等学校 |
2 |
田中聡 |
日本大学第三高等学校(東京都) |
3 |
中山元喜 |
東京都立館高等学校 |
2 |
橋田和宜 |
兵庫県立兵庫工業高等学校 |
3 |
樋口卓也 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
前田理衣 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
森川宜子 |
滋賀県立石山高等学校 |
2 |
遊上昭子 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
吉川弘通 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |
和田将揮 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |
(第2回)
氏名 |
学校名 |
学年 |
阿部純子 |
東京都立戸山高等学校 |
1 |
阿部美穂子 |
関東学院六浦高等学校(神奈川県) |
2 |
岩上秋雅 |
國學院大學久我山高等学校(東京都) |
2 |
荻野沙知加 |
関東学院六浦高等学校(神奈川県) |
2 |
小比賀柚木 |
大妻中野高等学校(東京都) |
3 |
改発大記 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
神田若奈 |
関東学院六浦高等学校(神奈川県) |
2 |
國里貴大 |
兵庫県立姫路工業大学附属高等学校 |
1 |
倉田禎子 |
大妻中野高等学校(東京都) |
3 |
酒巻太郎 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |
仕田原侑希 |
神奈川県立霧が丘高等学校 |
2 |
徳本信哉 |
滋賀県立八日市高等学校 |
3 |
冨澤絢 |
神奈川県立追浜高等学校 |
2 |
中川竜一 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
中臺督大 |
独協高等学校(東京都) |
1 |
中前輝 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
長嶺拓 |
独協高等学校(東京都) |
1 |
馬場朋哉 |
滋賀県立八日市高等学校 |
2 |
正木聡康 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |
増本愛 |
大妻中野高等学校(東京都) |
3 |
町田真通 |
國學院大學久我山高等学校(東京都) |
2 |
山崎厚郎 |
栄光学園高等学校(神奈川県) |
2 |
湯浅大輔 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |
渡辺慧 |
洛星高等学校(京都府) |
1 |