3. テキサス A&M 大学 ODP 事務局
3.1 ODPの概要
ODPは米国を中心として21ヶ国の加盟のもと、世界で唯一の深海科学掘削計画として運営され、科学掘削船「JOIDES Resolution」を国際運航している。本計画では海底を掘削することにより、直接試料を採取・分析したり、掘削後の孔井を用いて地殻内の物理的・科学的計測や長期観測を行っている。本格的な科学目的の深海掘削は1959年に提案された“Mohole project”に遡り、Deep-Sea Drilling Project (DSDP)、IPOD (International Phase of Ocean Drilling)を経て1985年から現行ODPへと引き継がれている。今日までの40年以上にわたる海洋掘削研究によって、プレートテクトニクス理論の証明、巨大隕石の衝突による恐竜絶滅の証明、過去における大規模な気候変動の解明、海底下深部に生息するバクテリアの発見などの成果を挙げ、多くの学術分野の発展に貢献している。ODP(国際深海掘削計画)は、ライザーレス掘削研究船「JOIDES Resolution」を運航し、世界の様々な海域で科学掘削を行ってきており、1985年のLeg100から1999年のLeg183までの間に、累計掘削長251,017m、サイト数535(1,417ホール)の掘削実績がある。
3.2 ライザーレス掘削研究船「JOIDES Resolution」の概略仕様
現在、世界で唯一の深海科学掘削計画として国際深海掘削計画;ODPが進められているが、この計画では石油掘削船を改造したライザーレス科学掘削船JOIDES Resolutionを運航して世界各地で掘削・研究活動を進めている。運航費用は本計画に加盟する21カ国の分担金により賄われている。
図11 JOIDES Resolution
[主要目]
項目 |
JOIDES Resolution |
船主 |
Transocean Sedco Forex社 |
建造(year) |
1978年(1984年大規模改造) |
船籍 |
リベリア |
主目的 |
科学目的深海底掘削 |
主目的関連影響 |
大水深掘削実現のため、ライザーレス
掘削を採用 |
[船体関連主要目]
船型 |
単胴船型 |
排水トン数 |
16,596トン |
バリアブルロード |
8,511トン |
全長 |
143.30m |
幅 |
21.30m |
深さ |
9.6m |
計画満載喫水 |
7.50m |
最大搭載人員 |
約120名 |
速力 |
10.5ノット |
ムーンプール |
12.5m×38m |
発電装置 |
2,200kW×5基 |
推進装置 |
3,600kW×2基(主推進器)
600kW×12基
(位置保持用スラスタ) |
[掘削関連主要目]
最大稼動水深 |
約8,000m(稼働実績;m) |
掘削深度 |
約800m---約2,400m |
デリック(Height) |
62m |
トップドライブ(吊荷重) |
500トン |
マツドポンプ |
1700HP2基 |
ドローワークス |
3000HP |
[特記事項]
海気象条件 |
波高8.2m、風速50ノット(稼働)
波高30.5m、風速100ノット
(サバイバル) |
研究設備 |
孔内計測室、古地磁気測定室、科学分析室、微生物研究室、計算機室、研究者談話室、コア貯蔵室など |