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千代の恵(裏組附)
〔前弾〕
一、千代の恵よノ、柳は緑、花は紅よ、人はただ情、ソレ梅は匂ひよノ。
二、荒野になりとエイ、君に添ひなば、都なるもの、なるもの。
三、笹の葉に降る、霰の音の、イヨさらりさらさら、さらさら、さらさらと、したる心こそ、よけれ。
四、嶮しき山の、九十九折の、彼方へ廻り、此方へ廻り、ソレくるりくるくるくると、したる心はン、面白や。
五、山の白き、雪かと思て、見れば卯の花、しむりゃ、イヨ腰が、細くなり候よ。
六、武蔵野に、(この句合ワズ)
萩と薄が、恋をして、荻はそよめくノウ、薄は穂に出て、乱るる。
七、大原木大原木、買はい買はい、黒木召さいの、ちゃうりゃうふりゃう、ソレひゅやりゃにひゃるろ、イヨアラヨイふりゃう、ソレるりひゃうふりゃう。








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