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「ユニバーサルウエア」デザインコンテスト
公開審査会大賞・入賞者決定
 ユーバーサルウエアを広く一般の消費者にPRする意味もこめ、NUC創立40周年記念事業の一環として、日本財団助成事業「ユニバーサルウエア」デザインコンテストを実施したところ、北は北海道から南は九州まで、さまざまな世代の2229名から第1部門1761点、第2部門1069点、総数2830点の応募をいただきました。
 その中から昨年9月にデザイン画審査会を実施し、厳正な審査の結果、各部門15作品を選考。40周年記念式典当日の1月24日、公開で最終選考を行い、大賞・入賞者が決定しました。そして、式典において表彰いたしました。
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式典で紹介された大賞(左から5番目)優秀賞(左から6番目)・部門賞、計10作品。
 
審査方法
第1次審査 :第1部門および第2部門から各上位5作品を選ぶ。
第2次審査 :第1次審査選考作品から、各部門の1位を決定。
最終審査 :各部門の1位の決戦とし、最も点数の高い作品が大賞
 次点となった作品が優秀賞に選考。
高齢者の方の安全確保と、自然におしゃれする喜びを感じる安全でデザイン機能のよい作品を公募
 高齢者が着用することから、新たな発想・新たなアイデアが含まれているか。安全性・機能性に優れ、着用者を保護できるものか。着る楽しさが生まれるファション性に優れているか。等を基準に審査を行いました。
 
大賞はサファリ調の外出時の必需品デザインに
 第二部門「帽子・バッグ・ステッキ」(高齢者の外出時の機能的な必需品)デザインの一位に選ばれた文化服装学院に在学中の学生、松澤美里さん(一九歳)の作品が大賞に決定しました。
 カーキ色の帽子とベスト型のバッグ、そしてキリンをイメージした4本足のステッキと、全体をサファリっぽいデザインでまとめた作品はアクティブで、かつかわいらしい表情もあって外出するのが楽しみになりそうです。そして、自立して立つステッキは、転がることもなく、屈んで拾うこともなく、置き場所に困ることもなく、使う人にやさしい一品という点が審査の大きな対象となりました。しかし、ベストとして着用するバッグが手に持ったときにバッグとして成り立たない、また帽子にもう一工夫ほしい、という意見もあり、若いアイデアを生かしながら、製作する際にさらなる工夫が加えられればと小西委員長より講評がありました。
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寺野理事長より表彰状を授与される大賞を受賞した松澤美里さん(右端)。
 
優秀賞はトラッド的にまとめたウエアデザインに
 第一部門(高齢者の安全確保・事故防止につながる衣料)デザインの一位に選ばれた東京モード学園に在学中の学生、村上涼子さん(二一歳)の作品が優秀賞に。
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 インナーにジャケットを着ているように見えるデザインですが、高齢者が着脱しやすいようにファスナーで一枚につながった仕上がりとなっています。そして、夜間で安全なように、肘やパンツのパイピングなどに光る素材を。また、バックスタイルにあるベルトを外すとそこにも光る素材を配してあります。フリースの上にナイロンの赤いチェックを重ねたり、ポケットにワッペンをつけたり、「トラッド」を意識したカジュアルなセットアップは、機能性が勝っているというより、楽しい!と思える点が評価されました。
 しかし、「ユニバーサルウエア」のコンテストであるにもかかわらず、第一部門のウエアが大賞に輝かなかった理由として、四十周年記念式典で行われた表彰式で審査委員長でありデザイナーの小西良幸氏は、「市場にいろいろな服が出回っている中にあって、ユニバーサルウエアという概念を満たすオリジナル性が必要。今回は個性あるユニバーサルウエアとは言い難かった」。
 一般衣料と区別されるユニバーサルウエアの課題を提示するとともに、今後のコンテストの応募にも期待を寄せました。
 
賞 金
大賞に輝いた松澤さんには五〇万円、優秀賞の村上さんには二〇万円、また各部門の部門賞にはそれぞれ五万円が授与されました。








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