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III-2. プロジェクト詳細
 13件のプロジェクトについて、目的、他のプロジェクトとの関係、研究開発プロジェクト計画、発表された結果を以下にあげる。
ワールド・クラス製造モデル
 「ワールド・クラス」2造船原理及び「リーン・マニュファクチャリング」3原理に基づき、米国商船及び艦艇建造向け先進的製造システムの開発と導入を行う。本プロジェクトでは2006年までに、建造工数を50%圧縮、人件費を50%低減することを目標としている。産業工学分析とシミュレーションによるシステム工学的手法を利用し、任意の製造モデルを実証する。NASSCOにおいて、開発した製造システムを試験的に運用し、その後、他の参加造船所もこれを導入する。
 本プロジェクトは、先に実施されたMARITECH研究、自動車産業等の他の産業の「リーン・マニュファクチャリング」手法、NIST(米国標準技術研究所)の製造工学研究室で開発された先進製造システム研究に基づいて実施される。
 初年度には、包括的な「ワールド・クラス」造船モデルの開発を行う。これには、製造工程の関連表、データに基づく設計手法、材料管理手法等が含まれる。NASSCOの建造工程をコンピューター上でシミュレートし、これらの工程を再設計するための詳細な方法論を作成する。2年目は、NASSCOの艤装工程のシュミレーション化が行われ、この工程について再編成案を作成する。3年目には、先導研究を完了し、完全な実施を開始する。
<プロジェクト実施計画>
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 現在のところ、プロジェクトチームは建造工程分析報告、建造工程シミュレーション・モデル、ブロック上先行艤装におけるバリュー・ストリーム4の展開、「リーン・マニュファクチャリング」設計ガイド、人間工学的設計ガイド、中間報告の作成を完了した。また、製品設計・材料技術イニシアティブ部門の「ワールド・クラス」材料基準プロジェクトと合同で実施される中間製品(艤装品や配管等のこと)の設計開発に着手している。
<バリューシステムのマッピング分析>
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<船舶製造の理想図>
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線状加熱法による船舶鋼板構造の複雑な形状組成のための分析ツール
 本プロジェクトは、造船所が加工する標準的な鋼板に曲げを加える線状加熱法の開発、導入を目的とする。この手法は入熱量の特定により、最終的な形状を予測するコンピューター・アルゴリズムを使用するものである。さらに、コンピューター・アルゴリズムを改良し、特定の形状を組成するために必要とされる加熱線の数、場所、加熱量を予測する分析予測手法を開発する。
 本プロジェクトは、特定の造船所の生産工程における生産技術を扱う比較的小規模なものである。
 初年度には、最先端の機器について、開発または購入に関する調査を行い、線状加熱装置実験と有限要素法による理論解析を行う。2年目は、完全な線状加熱システムを造船所で実証し、訓練マニュアルや、操作手順を作成する。
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<線状加熱装置>
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<ポータブル線状加熱装置>
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