II-6. 予算計画と主要研究課題間の配分
1998年のMARITECH ASEの当初の戦略的投資計画(SIP)では、総額4億ドルの5ヶ年投資プログラムとなる予定であった。この金額には、民間出資、政府負担額の両方が含まれる。予算は、6つの主要研究課題の間で以下のように配分されていた。
NSRP ASEの計画予算
(民間投資、政府負担合計)
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主要研究課題 |
五ヶ年
予算額
(単位百万ドル) |
割合 |
|
|
造船生産工程管理 |
$99.4 |
25% |
|
|
ビジネスプロセス技術 |
31.8 |
8% |
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|
システム技術 |
75.2 |
19% |
|
|
製品設計・材料技術 |
132.0 |
33% |
|
|
施設・設備 |
30.2 |
7% |
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|
横断的課題 |
32.3 |
8% |
|
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合計 |
$400.9 |
100% |
|
この予算配分は、NSRP ASE戦略的投資計画(SIP)における優先順位を反映している。戦略投資計画によれば、建造総コストの60%が材料コストであり、米国建造商船の材料コストは、匹敵する外国建造船の総コストを上回る。材料コスト低減重視を反映し、戦略投資計画では、予算の33%を製品設計と素材技術に割り当てている。同計画ではまた、造船生産工程と、ビジネスプロセスを重要な課題として特定している。この2つのイニシアティブには予算総額の33%が当てられている。残りの3つの主要課題が残額を分け合っている。
5ヶ年計画の毎年の予算配分計画を次表に示した。これにより各イニシアティブに対する比重の推移がうかがえる。市場に効果的に対応するプロセスの改善が早急に必要であるという認識を反映して、ビジネスプロセス技術の分野に対する予算は、初年度が最高額であり、その後漸減する形を取っている。この課題には5ヶ年で8%の予算が割り当てられているが、1999会計年度にはASE予算の12%を占め、2000会計年度は9%であった。ビジネスプロセス技術に対する予算配分は年々減少し、最終年度には7%となる。
同様に、施設・設備も、1999会計年度にASE予算の13%を割り当てられているが、2000会計年度には9%に減り、5ヶ年平均は8%となっている。最終年度は、全予算のわずか5%に過ぎない。
対照的に、造船生産工程技術分野は、ビジネスプロセス技術及び施設・設備分野の反対に、尻上がりになっている。同分野の予算は、1999会計年度に15%、2000会計年度に19%、2001、2002、2003会計年度にそれぞれ、27%、29%、32%と漸増している。
NSRP ASE出資予定額の5年計画
(単位:100万ドル - 民間出資額・政府負担額合計)
主要課題 |
1999 |
2000 |
2001 |
2002 |
2003 |
5ヶ年合計 |
造船生産過程技術 |
$7.7
(15%) |
$16.2
(19%) |
$24.6
(27%) |
$25.9
(29%) |
$25.0
(32%) |
$99.4
(25%) |
ビジネスプロセス技術 |
6.4
(12%) |
7.7
(9%) |
7.0
(8%) |
5.4
(6%) |
5.4
(7%) |
31.8
(8%) |
システム技術 |
17.0
(33%) |
30.0
(34%) |
30.0
(33%) |
32.0
(35%) |
23.0
(29%) |
132.0
(33%) |
製品設計・材料技術 |
9.0
(17%) |
17.0
(19%) |
16.0
(18%) |
16.7
(18%) |
16.5
(21%) |
75.2
(19%) |
施設・設備 |
6.6
(13%) |
7.8
(9%) |
6.5
(7%) |
5.4
(6%) |
3.9
(5%) |
30.2
(8%) |
横断的課題 |
5.6
(11%) |
8.7
(10%) |
7.1
(8%) |
5.5
(6%) |
5.4
(7%) |
32.3
(8%) |
合計 |
$52.3
(100%) |
$87.4
(100%) |
$91.2
(100%) |
$90.8
(100%) |
$79.2
(100%) |
$400.9
(100%) |
注:四捨五入のため合計額が異なる場合もある