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II-4. 研究開発の実施体制
 NSRP ASEは、米国海事産業全体に開かれた官民共同のプログラムである。業界が主導し、政府が監督する形になっている。
 次に示すように、エグゼクティブ・コントロール・ボード(ECB)がプログラムの総合管理を行い、海軍海上システム司令部内に設置されたMARITECH ASE政府プログラム局と連絡を取っている。政府担当局はプログラム全体の過程を監督するが、個々の業務には関与しない。
 エグゼクティブ・コントロール・ボード(ECB)は非営利団体であるサウスカロライナ州チャールストンの先進技術研究所(Advanced Technology Institute: ATI)を、エグゼクティブ・ディレクター兼プログラム・アドミニストレーターに選定した。プログラム・アドミニストレーターは、研究開発の具体的目標やスケジュールの設定、コスト管理、研究開発実施状況の管理、プログラム全体の成果報告書のまとめ、四半期及び年次見直しの実施等を行う。
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 6つの主要研究課題毎に主要研究課題(Major Initiative:MI)チームが組織されている。担当技術分野を専門とする造船所マネージャー2名がそれぞれのチームを率い、政府、学術団体、研究機関からの専門家がメンバーとなっている。それぞれのMIチームには、関連分野のSNAMEの船舶建造パネルの議長が含まれている(ただし、パネルの議長は全員、造船所の技術者である。)MIチームは、プログラムについて業界からフィードバックを受け取るコンタクト先の役割を担い、毎年の研究募集発表を起草する。各MIチームのリーダーは、エグゼクティブ・ディレクターを通じてECBの管理下にある。
 技術諮問評議会(Technology Advisory Forum:TAF)は、業界、政府、大学、サプライヤー等から選ばれた専門家から構成される。技術諮問評議会は、客観的フィードバックの枠組みと、プログラム全体の技術的クオリティ及び進展を評価するためのメカニズムを提供することにより、ECBを支援する役割を担っている。技術諮問評議会は、軌道修正勧告とともにフィードバックを提供することにより、毎年の基本方針(SIP)の見直しにも参画する。
 技術評価検討パネル(Technical Evaluation Review Panels)及びブルーリボンパネル(Blue Ribbon Panel)は、専らプロジェクトの評価と選定を行う。








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