2 バタム地域における造船業の発展
2.1 バタム島における造船所の設立
バタム島の工業地帯に向けた開発の第1段階では、電子や金属産業など輸出志向のハイテクノロジー産業に焦点が当てられた。これらの産業は大規模沿岸地域を必要としない屋内工場である。
その一方で、造船所は大規模な沿岸地帯と、建造用バース、ドック、クレーン、組み立て地域、作業場、埠頭など多種の設備が必要である。その上造船業は設計、ロジスティック、エンジニアリングに技術者及び経験のある人材が必要であり、原料、機械、備品供給の管理も必要である。
造船業は短期的に収益を上げる事業ではないと知られているため、輸出型事業としては好ましくないと考えられている。1990年まで、バタム島での造船業投資は推奨されていなかった。
しかしながら、造船業は建造用の土地、設備、エンジニアリング能力の必要条件が低く、短期的に輸出できる可能性のあるものもある。これはバージの建造である。
バージは各種の目的で継続的な需要がある。設計及び製造は比較的容易で、繰り返しの作業であり、造船用地にも重要な設備は必要ない。
このため、バタム産業開発の開始から約10年後の1981年以降、バタム島にバージの造船所が設立された。これらのバージ造船所の大多数は、国内投資法に基づき設立された。
バージ造船所以外に、外国船舶の修繕も短期収益的な輸出業、つまりサービスの輸出として行われている。これらの事業活動も小中規模の企業が行うことが可能である。
2.2 大規模造船所の奨励
1990年以降より多くの産業が設立され、インフラストラクチャーが更に発展するに従い、バタム島の輸出は急激に増加した。これにより、バタム島の船舶の寄港数も大幅に増加した。
シンガポール海峡の反対側にあるシンガポールの造船所及び船舶修繕所は、限られた土地面積により事業の拡大が制限されていた。これらの要因により、バタム島は約70,000DWT〜80,000DWTのパナマックスサイズの船舶の請負及び修繕能力を有するより大規模な造船所の好選択肢となった。1990年に、バタム島の造船業投資の政策が変更され、より大規模な造船所の設立が可能となった。
1991年以降、外国造船企業がバタム島に100%所有又はジョイントベンチャーの造船所及び船舶修繕所を設立し始めた。
ジョイントベンチャーとしてもバタム島に造船所及び船舶修繕所が設立された。また、シンガポールの大手であるSingapore Sembawang 造船所が、バタム島の西60kmに位置するカリマン島にも、新規造船能力25,000DWT、ドック及び修繕能力100,000DWTのKarimum Sembawang 造船所を設立した。
他の外国造船所はバタム島に、15,000DWT、40,000DWT、65,000DWTの浮きドックを専用に設立した。
2.3 バタム島及びカリマン島の造船業の現状
現在、バタム島では43の造船所がバタム産業開発当局(BIDA)に登録している。その半分未満が用地及び設備を所有する実際の造船所として分類されるが、残りは下請け業者又は造船関連企業である。
大多数の造船所はバタム島の南西沿岸部(タンジュンウンチャン地区)に位置しており、バタム島の南西約60kmにあるカリマン島には1つの造船所がある。
バタム島で営業している全造船所の内、16社がバタム造船所協会(BSA)に加盟しており、3社はIPERINDO(インドネシア造船・海洋工業会)に加盟している。
修繕設備: |
・浮きドック |
: 5ユニット |
1×10,000DWT |
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1×15,000DWT |
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1×40,000DWT |
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2×65,000DWT |
・乾ドック |
: 1ユニット |
1×15,000DWT |
・シンクロリフト |
: 1ユニット |
15×20,000DWT
(修繕及び造船用に15ライン) |
新規造船設備: |
・造船用バース |
: 10ユニット |
1×8,000DWT |
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7×15,000DWT |
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1×40,000DWT |
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1×65,000DWT |
・シンクロリフト |
: 1ユニット |
15×20,000DWT
(修繕及び造船用に15ライン) |
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新造船及びその他の建造実績: |
− 浮きドック40,000DWT及び65,000DWT
− オイルタンカー1,500DWT及び3,800DWT
− ケーブル設置用バージ60m
− プッシャータグボート2,400HP
− 錨取扱及び供給用ボート5,200HP
− 宿泊用バージ100m/198バース/ヘリパッド