(3)脱硝触媒性能の評価
図4.5-8に示すように、粉体試験の結果から、300℃におけるV2O5/TiO2(V2O5=1.0%)触媒によるアンモニア選択還元反応を行ったときの供給アンモニア濃度によるNOx除去率の変化を示した。導入するアンモニア量を変化させると速やかにNO除去率が変化し、良い応答性能を示すことがわかる。また、このときの供給アンモニア濃度と除去されたNO濃度は1対1のよい対応を示すことから以下のような反応式で反応が進行していることがわかる。
4NO + 4NH3 +O2 → 4N2 + 6H2O (1)
脱硝触媒ハニカム性能の評価を行うために、吸着−脱離試験の後にアンモニアを導入しNOx濃度の計測を行った。その結果、図4.5-9、10に示すように、ハニカムの場合にも、粉体と同様に300℃前後で高い浄化率を示すことが確認できた。また、同時に以下のことも確認できた。
・除去された排ガス中のNOx:噴霧NH3 = 1:1
・高SV条件下(6,450h-1)でも除去率の低下は見られない。
図4.5-8
V2O5/TiO2(V2O5=1.0%)触媒によるアンモニア選択還元反応
反応温度:300℃、触媒:V2O5/TiO2粉体(V2O5=1.0%)
SV=6,000h-1、Total flow rate = 100cm3/min.
図4.5-9
NOx除去率のアンモニア濃度による変化
使用触媒:中温型用ハニカム
SV:2,580h-1
ガス流量:43L/min(H2O=7%)
反応温度:284℃
図4.5-10
NOx除去率のSV値による変化
使用触媒:中温型用ハニカム
SV:2,580h-1、6,450h-1
ガス流量:43、108L/min(H2O=7%)
反応温度:284℃、325℃