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2.5 国民の生活
 図2.40に示すように、価格自由化直後の激しいインフレは治まり、1998年の金融危機を乗り越えて、物価は安定傾向にある。消費者物価上昇の内訳を図2.41に示す。
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図2.40 諸物価上昇率
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図2.41 年間消費者物価の上昇内訳

 ロシアにおいても物価の変動は国内経済情勢だけではなく、国際経済の影響を強く受ける。運賃や公益サービス料金の引き上げは、世界的な燃料の値上がりによるものである。
 大都市部では、好みとする生活必需品や生活関連用品の西欧化傾向があり、小売流通での国産・輸入比率も実生活経費に影響を与えている。図2.42は、小売流通高から見た国産品・輸入品比率を示したものである。
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図2.42 小売流通高における国産品・輸入品比率
 輸入品ブームの収まり、国内産業の復活によって、国産品シェアは漸増している。言うまでもなく国民の生活水準の向上は経済の要であって、購買力を強め、生産需要を増し,交易を活発にし、さらには社会資本の充実に寄与するものであるから、平均収入と物価変動は安定した状態になければ、確かな物流・輸送量の拡大は予想し得ないことになる。








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