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図III-5(4) 生物チェックシート(人工護岸)
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図III-5(5) 生物チェックシート(海底)
1.2.4 調査結果の評価手法
「海の健康度」の評価基準は以下のよう設定する。
生物チェックシートに記載された生物が生息していること。
生物チェックシート下部のチェック欄には、場ごとに生息しているべき生物は何か、何種類くらい出現すればよいのかということが記載されている。実際に調査手法に従って調査を行い、各条件を満たしていれば、チェック欄に○をつけ、条件に満たない場合は×をつけてゆく。また、砂浜のカブトガニや干潟のトビハゼ、および海底のナメクジウオなど、ある特定の種が一つ見つかれば、その場の生態系が安定していると判断できるものもある。その場合は、他の生物の出現に関係無く、無条件に全て○をつけることができる。
選定した場での調査が全て終了し、一つでも×がついていれば、二次検査に進む。
1.2.5 注意点
内湾の中には、場のバリエーションが単調で、砂浜のみしか存在しないといったような海湾もありえる。そのような場合は、同じ砂浜でも湾奥と湾口、河口に近いものと遠いものの双方を調査場に設定したりするなど、できるだけ多様な環境を調査することを心がける。
また、干潟や海底では、底質の違いで出現する生物が異なるため、砂の干潟ならチェックシートの砂の部分の生物を、泥の干潟なら泥の部分の生物を、すべての底質が揃っているなら全ての生物をチェックする。海底も同様に取り扱う。
生物チェックシートでは、汚染度が高い海域に生息するような、環境適応能力が優れている生物(例えばムラサキイガイやミドリイガイなど)は対象に設定していない。そのような生物は、二次検査で調査を行う。また、生物チェックシートでとりあげた生物は、基本的には全国のどの海湾にもたいてい生息しているであろうことを想定して記載してある。しかし、内湾に限らず、生物群集は気候や周辺の環境によって出現種がかなり異なることが多い。そのような場合は、地域特性に合わせて生物種を一部設定し直す必要もありうる。
調査場所の数が少なすぎると、診断の精度に支障がある可能性がある。どのような海湾でも、少なくとも10ヶ所程度は調査場所を選定し、一次診断を行うことが望ましい。また、調査範囲(エリア)の設定も、調査対象とする海湾の形状や規模などを考慮し、その海湾に応じた方法で設定する必要がある。
磯場などでは藻類の付着などで滑りやすく、砂浜や干潟では貝殻の破片が落ちていたりするなど、危険な場所での調査には特に注意を払い、怪我や事故に留意することが必要である。さらに、調査を行う場所では、漁業権などが関係する海域もあるので、事前に確認しておく必要がある。