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大会を終えて
 当財団主催による「第3回日本太鼓全国障害者大会」が日本財団の助成事業として、2002年1月20日静岡県御殿場市の市民会館ホールにおいて、主管である社会福祉法人富岳会並びに(財)日本太鼓連盟静岡県支部の協力のもと、厚生労働省、文化庁、静岡県、御殿場市等のご支援を得て開催いたしました。
 3年連続して主管をしていただいた富岳会では、1977年から知的発達に障害を持つ人達の補助セラピーや自己表現の手段として太鼓による療育活動を実践されております。このような太鼓の活動が、ハンデキャップを持つ人達の生活に生き生きとした自信と困難を乗り越えていく力をもたらすなど、今日まで大きな成果を挙げております。
 本大会は、この成果に賛同し、日本太鼓を通じ障害者の自立心の向上を図り、心身の健全な育成を目指すことを目的に多くの皆様にご理解いただくため行われたものです。今回は、療育的な見地から日本太鼓に積極的に取り組んでいる知的、身体、聴覚に障害を持つ太鼓団体19チーム、出演者238名が一堂に会し、代表者による体験発表とチームによる演奏会が行われました。
 各チームの発表は、自分達が障害を持ちながらも太鼓との出会いにより勇気づけられ、友情が生まれ、生き甲斐をみつけるまでの経緯や現在の心境を、時には手話を介して真摯に語られていたのが印象的でした。また、太鼓演奏は日頃の練習成果を発揮しようと、チームが一体となり、素晴らしいバチさばきと個性的な演奏技術を披露し、そのひたむきさにホールを埋めた約1,000名の観客は大きな感動を受けました。後日、各地の障害者チームへは多くの出演の要請がくるなど各方面で大きな反響がありました。
 当財団では、本大会を障害者の励みの場、交流の場として継続、実施し、多くの皆様に太鼓療育を呼びかけていく所存です。2002年は9月に岐阜県恵那市において、また2003年9月には大会5周年を記念して、東京での開催を予定しております。
 本報告書は、このたび富岳会が中心となって作成したもので、ご一読いただければ、各人が、周りの協力を得て、いかに苦労しながらも、ハンディを乗り越え演奏技術を身につけたか、また、日本太鼓が補助療法として障害者に対して効用があることがご理解いただけると存じます。
 今後とも日本太鼓に対して、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 
2002年2月
財団法人 日本太鼓連盟








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